研究課題
平成18年度はサイトカイン受容体の細胞内シグナル伝達開始機構とSUMO(Small Ubiquitin-like modifier)によるたんぱく質修飾に関する構造学的研究を進めた。インターフェロン18(IL-18)は,インターフェロンγの分泌促進、Tリンパ球ヘルパーI型(ThI)の分化制御などに関与するサイトカインである。IL-18は細胞表面のIL-18受容体を活性化し細胞内シグナル伝達経路を開始する。このIL-18シグナル経路は、細胞質アダプター分子であるMyd88によって仲介されるが、Myd88は自然免疫を担うToll-like receptor 4(TLR-4)のシグナル伝達系にも関与する。岐阜大学医学研究科の近藤直美博士らとの共同研究により、Myd88のTIRドメインのNMRによる立体構造解析を行った。また培養細胞を使ったアッセイ系により、立体構造情報を基にしてMyd88 TIRドメインの変異体解析を行なった。SUMO(Small Ubiquitin-like Modifier)はそのC末端を標的たんぱく質のリジン残基側鎖とイソペプチド結合を形成する事で修飾するユビキチン様モディファイアーたんぱく質の一つである。平成18年度は、SUMO-1とTDGの中央領域(残基112-339)の非共役結合性の複合体の立体構造解析を行った。また転写制御因子と考えられるMCAFのSUMO結合モチーフ(SIM)を含むペプチドとSUMO-3の複合体の溶液での立体構造をNMRによって解析した。
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