研究課題
インターフェロン18(IL-18)は,インターフェロンγの分泌促進、Tリンパ球ヘルパーI型の分化制御などの作用を持つサイトカインである。IL-18はIL-18受容体αと結合し、これとIL-18受容体βの会合を促進する事で免疫細胞の細胞内シグナル経路を活性化する。このシグナル経路は、Toll-like receptor 4(TLR-4)のシグナル伝達系にも関与するアダプター因子であるMyd88によって仲介される。H18年度までに我々は岐阜大学医学研究科の近藤直美博士らとの共同研究により、Myd88のC末端TIRドメインの立体構造をNMRによって決定した。またIL-18経路と自然免疫経路のシグナル伝達に関与する分子表面を同定するために、培養細胞を使ったアッセイ系による変異体解析を行い、TLR4経路のシグナル伝達に関与する3つの部位を同定した。また同様のアッセイ系によって、IL18シグナル伝達経路においてはこれら3つに加えて、さらに1つの部位が関与するという結果を得た。H19年度には、in vitroの結合実験変異体解析により、TLR4経路に関わる3つの部位のうち2つはアダプター分子MAL/TIRAPのTIRドメインとの相互作用部位である事を示唆する結果を得た。IL-18受容体の細胞外ドメインについては、構造解析に向けた準備段階として、IL-18/IL-18受容体α細胞外ドメイン/IL-18受容体β細胞外ドメインを調製し、3者複合体の形成条件を検討した。さらに昆虫細胞を使った発現系によりIL18結合タンパク質(IL18-binding protein:IL18BP)を調製した。
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