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2004 年度 実績報告書

NMRを用いたソフトなタンパク質相互作用解析法の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 15083202
研究機関東京大学

研究代表者

嶋田 一夫  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (70196476)

研究分担者 寺沢 宏明  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10300956)
キーワード膜タンパク質 / NMR / 相互作用 / 分子認識 / 構造生物学
研究概要

ポアーブロッカーと呼ばれる一群のペプチドは、K+チャネルのポアードメインに細胞外から結合することでそのイオン透過活性を物理的に阻害する。電位依存性K+チャネルはサブクラスによってポアーブロッカーに対する感受性が大きく異なることが知られているが、感受性を左右する要因は明らかでない。このような状況において、電位依存性K+チャネルとポアーブロッカー間の相互作用を立体構造に基づいて解析し、両者の結合において鍵となる残基を特定できれば、電位依存性K+チャネルのポアーブロッカー感受性を明らかにする重要な情報を与えると期待される。そこで本研究では、電位依存性K+チャネルと高い相同性を示し、かつポアーブロッカー感受性であるStreptomyces lividans由来のK+チャネル:KcsAとポアーブロッカー:Agitoxin2(AgTx)の相互作用をNMR法により解析した。AgTx上のKcsA結合界面は、転移交差飽和(TCS)法を用いることにより同定した。TCS法は、従来のNMR法と異なり、蛋白質複合体の分子量に依存せず結合部位を決定できることから、膜蛋白質の解析における分子量的問題を克服することが可能である。TCS実験により影響を受けた残基はAgTx上において一つの連続した面を形成し、それらの残基に対する変異導入は、KcsAに対する結合活性を低下させた。よって、同定された結合界面が結合親和性に寄与していることが示された。TCS実験結果に基づいてKcsA-AgTx複合体モデルを構築し、複合体モデル中における相互作用残基対の特定を行った結果、ポアーブロッカーの分子表面に保存された構造モチーフを見出し、それに対応するチャネル上の相互作用残基を特定した。チャネル上で特定された相互作用残基は、ポアーブロッカーに対する感受性の有無により異なる保存性を示しことから、ここで明らかとなった相互作用は、電位依存性K+チャネルのポアーブロッカー感受性を決定する要因と考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 1H, 13C, and 15N backbone resonance assignments of the hyaluronan-binding2004

    • 著者名/発表者名
      Mitsuhiro Takeda
    • 雑誌名

      J.Biomol.NMR 29

      ページ: 97-98

  • [雑誌論文] Optimization of 13C Direct Detection NMR Methods2004

    • 著者名/発表者名
      Nobuhisa Shimba
    • 雑誌名

      J.Biomol.NMR 30

      ページ: 175-179

  • [雑誌論文] Investigation of the CPD photolyase DNA Recognition Mechanism by NMR Analyses2004

    • 著者名/発表者名
      Takuya Torizawa
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279

      ページ: 32950-32956

  • [雑誌論文] NMR Study of Repair Mechanism of DNA Photolyase by FAD-Induced Paramagnetic Relaxation Enhancement2004

    • 著者名/発表者名
      Takumi Ueda
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279

      ページ: 52574-52579

  • [雑誌論文] NMR techniques for identifying the interface of a larger protein -protein complex : cross-salutation and transferred cross-saturation experiments

    • 著者名/発表者名
      Ichio Shimada
    • 雑誌名

      Method.Enzymol (In press)

  • [雑誌論文] An NMR Method for the Determination of Protein Binding Interfaces Using Dioxygen-Induced Spin-Lattice Relaxation Enhancement

    • 著者名/発表者名
      M.Sakakura
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc (In press)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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