研究課題/領域番号 |
15083204
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
相本 三郎 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (80029967)
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研究分担者 |
川上 徹 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (70273711)
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キーワード | 4回膜貫通型受容体 / v-ATPase / ペプチドチオエステル / 膜蛋白質 / 化学合成 / 選択的縮合法 / Argタグ補助基 |
研究概要 |
チオエステル法とnative chemical ligation(NCL)法の併用を可能とするチオール基の保護基の探索を行った。これまで、長鎖ペプチドの合成にはチオエステル法とNCL法が用いられているが、用いる化学反応が異なることから、1つのペプチドの合成に2つの方法を用いることはできなかった。そこで、NCL法を用いた後、チオエステル法で合成を進めていくことを念頭に置き、容易に導入でき、銀イオン存在下で安定で、しかも穏和な条件下で除去できるチオール基の保護基の探索を行った。その結果、チオール基を有するペプチドを中性の水溶液中でNa_2S_4O_6と混合するだけで導入でき、DTTなどのチオールで処理することにより容易に除去できるSSO_3^-基がこれらの要求を満たすことが明らかとなった。また、拡張型NCL法のための光切断型ライゲーション補助基の開発を行った。すなわち、ペプチド-α-チオエステル中のチオエステルと選択的かつ自動的に縮合反応を起こしてペプチド結合を形成し、反応終了後、光照射によりペプチド鎖から除去されるライゲーション補助基の開発をめざして研究した。その結果、ペプチドN末端のアミノ基に導入した2-mercapto-1-(2-nitrophenyl)ethyl基がこの目的にかなうことを見いだした。モデル実験を行ったところ、2つのデカペプチド同士を縮合させ、365nmの光を照射することにより補助基を除去することが出来た。さらに、膜貫通ドメイン含有ペプチドの精製法の検討およびミセルを用いたライゲーション反応の反応場について検討し、それぞれv-ATPase合成に必要な情報を得ることが出来た。
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