研究課題
ムスカリン受容体M2サブタイプ変異体(糖鎖を結合せず、細胞内第3ループ(I3)の大部分を削除したもの)の結晶化の試みを継続した。京都大学岩田想教授および東京大学浜窪隆雄教授グループとの共同研究により、この受容体に対する単クローン抗体を作成し、複合体の結晶化の試みを行った。現在のところ、受容体単独の結晶の分解能(約8A)を越える結晶は得られていない。また、細胞内第3ループにリゾチームを結合させた融合タンパク質M2-T4LをSF9-バキュロウイルス系で大量発現・精製し、その結晶化を試みている。培養細胞(HEK293)に発現させたムスカリンM4受容体はアゴニスト依存性に細胞内移行し、アゴニスト除去で細胞表面にリサイクリングされる。M4受容体I3の部分的切除変異体を網羅的に検索し、リサイクリングに関わる領域を推測した。この部位をリサイクリング能が低いM2受容体I3部分に加えると、リサイクリング能が著名に増大することを見いだした。現在、その部位に結合する成分の同定を試みている。I3の殆どを削除したM4変異体でも、Gタンパク質共役受容体キナーゼ2(GRK2)を共発現させると細胞内移行が増加し、GRK2の効果はドミナントネガティブGRK2の共発現で抑制された。ところが13欠損M4受容体の細胞内Ser/Trhr10個をAlaに替えた変異体いずれでも、GRK2による細胞移行促進効果が見られた。複数のリン酸化部位の何れかがGRK2によってリン酸化されれば細胞内移行が促進されるという可能性が考えられる。高親和性コリントランスポーター(CHT1)の構造と機能の関係を部位特異的変異体を用いて調べた。細胞膜貫通部分の荷電アミノ酸の変異体の活性測定から、コリンの認識に関わる領域を推定した。
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