研究概要 |
2005年度において、C01班は、裁判所における裁判記録調査を行った。これは、最高裁判所の協力の下に、全国50地方裁判所で2004年度に終了した事件の中から1118件をランダムに抽出して裁判調書および判決書または和解記録をデータベース化するものである。これは、それ自体、地方裁判所に訴えられた事件のさまざまな特質を統計調査するものであると同時に、2006年度の本調査の対象である事件当事者および代理人弁護士を特定する作業である。そこでは、事件の種類と内容、当事者の特性と当事者間の関係、弁護士依頼の経緯と評価、裁判所利用決定過程、裁判官と裁判手続きに対する評価など多岐にわたるデータが収集された。この作業は、2005年夏から2006年3月にかけて、協力者に法科大学院生を公募し、研究代表者および研究分担者が手分けして監督・実施した。 専修大学班としては、名古屋、甲府、長野および四国内4地方裁判所について責任を持って実施したほか、東大班への援助として東京地方裁判所と那覇地方裁判所の調査に参加した。収集されたデータは、東大班に集約・クリーニングアップされ、C01班全体としての2006年度の分析にかかることになる。 一方で、専修大学班では、ジェンダー関連資料の収集・分析が進行している。関連する業績として、研究代表者は、「法はジェンダーをどうしたらよいのか--法社会学の視点」(『法律時報』第77巻10号)ならびに「弁護士の業務環境に関する研究ノート--Ulrike Shultz and Gisela Shaw (eds.),Women in the World's Legal Professions(2003)を素材として」(『専修法学論集』第96号)を著述したほか、関東弁護士連合会シンポジウム『司法における男女共同参画』においてパネリストとして報告を行った。
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