本特定領域研究の目的は、実際に民事訴訟を利用した人々の行動と意識を把握することにあるが、平成20年度は、最終年度であるため、調査結果のまとめと公表として、(1) 名城法学に英語論文を研究ノートに特集し、(2) 日本法社会学会学術大会においては、C班全員でミニシンポジウムを組んだ。さらに、調査結果をめぐり実務との交流をはかる目的で、(3) 裁判官・弁護士を囲む座談会「当事者は裁判・法律家に何を求めるのか? 実務との対話座談会(パート1及び2)」を行った。並行して、特定領域全体による公刊本『民事裁判の実態と課題 : 法社会学からの挑戦』(C班は第三巻担当)の企画を進めた。また、民事訴訟利用に関する継続研究として、裁判管轄の移行期に当ったところから本研究が対象外とせざるを得なかった家事事件に対する調査構想を練り科研費申請をした。 上記のC班の作業の中で、専修大学班は民事訴訟利用におけるジェンダーの影響を分析し、研究代表者は、"Gender Analysis of the Nationwide Civil Case File Research(2005)"の名城法学58巻4号(第2校校正済み)への投稿、学会ミニシンポにおける報告「民事訴訟のジェンダー分析について」、座談会のパート2における報告「訴訟当事者調査に見られるジェンダーの問題」を行っている。研究分担者は、ミニシンポで「女性と民事訴訟(2)-一般人調査から得られる知見-」を、同座談会において「女性の視点から見た訴訟のイメージ : 「一般人調査』から得られる10の知見」を報告した。
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