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2005 年度 実績報告書

骨系細胞のナノ・ミクロ力学構造システムのバイオメカニクス

研究課題

研究課題/領域番号 15086211
研究機関京都大学

研究代表者

安達 泰治  京都大学, 工学研究科, 助教授 (40243323)

研究分担者 北條 正樹  京都大学, 工学研究科, 教授 (70252492)
キーワード細胞バイオメカニクス / マイクロ・ナノバイオメカニクス / 細胞骨格 / 力学的適応 / 骨 / 骨芽細胞 / 骨細胞
研究概要

骨系細胞の様々な活動は,生化学因子のみならず,力学的因子によっても調整されていると考えられており,細胞の力学刺激感知機構を詳細に解明することが,細胞活動における力学因子の役割を明らかにする上で重要である.力学刺激に対する細胞応答の一つとして,細胞内カルシウムイオンの濃度上昇が知られている.この応答に対して,細胞を構成する細胞骨格や膜などの各構造要素が寄与すると考えられている.そこで,本研究では,力学刺激として,細胞膜や細胞骨格に生じる変形量に着目した.また,骨格タンパク質や膜の粘弾性特性に着目し,カルシウム応答の発生時に細胞に与えられるひずみ,および,その速度との関連について検討した.これらの検討は,主に骨形成を担う骨芽細胞を用いて行ったが,さらに,骨基質内において,メカノセンサーとしての役割が予想される骨細胞についても同様の検討を行うことで,各骨系細胞の力学的刺激応答,およびそれらが形成する細胞間ネットワークにおける力学刺激情報の伝達過程の解明に取り組んだ.
以上の検討から,まず,骨芽細胞内のアクチン骨格構造の動的な安定性において,骨格そのものに予め作用している張力が重要な役割を果たしていることを示した.さらに,定量的な変形を与えることで,細胞内骨格ネットワークに対して,約20%の圧縮ひずみ(初期引張ひずみ解放)が作用することにより,アクチン骨格構造の脱重合が促進されることを明らかにした.また,メカノセンサーとしての役割が示唆されている骨細胞について,単離骨細胞および組織内の生骨細胞に対して直接的な力学刺激を与え,それらのカルシウム応答を確認することができた.さらに,骨細胞内のアクチン骨格構造分布との関連が示唆されたため,今後,より定量的な力学刺激との関連性について検討することとなった.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Spatial and Temporal Regulation of Cancellous Bone Structure : Characterization of a Rate Equation of Trabecular Surface Remodeling2005

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi Tsubota, Taiji Adachi
    • 雑誌名

      Medical Engineering & Physics 27-4

      ページ: 305-311

  • [雑誌論文] Quantitative evaluation of threshold fiber strain that induces reorganization of cytoskeletal actin fiber structure in osteoblastic cells2005

    • 著者名/発表者名
      Katsuya Sato, Taiji Adachi, Mamoru Matsuo, Yoshihiro Tomita
    • 雑誌名

      Journal of Biomechanics 38-9

      ページ: 1895-1901

  • [雑誌論文] ナノスケールで表面形状を制御した材料上における細胞培養2005

    • 著者名/発表者名
      寺村聡, 富田直秀, 原田恭治, 闕上凱, 前北渉, 安達泰治, 鈴木基史
    • 雑誌名

      日本臨床バイオメカニクス学会 26

      ページ: 227-232

  • [図書] Computational Modeling of Tissue Surgery2005

    • 著者名/発表者名
      Taiji Adachi, Ken-ichi Tsubota (分担執筆)
    • 総ページ数
      273
    • 出版者
      WIT Press

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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