研究概要 |
DNA分子は、4種類の塩基分子から構成され0.4nm間隔のアドレスを持った情報材料である。この為DNAをテンプレートとして望みの位置に分子やナノ粒子を配列させる事が可能でありナノスケールでの構造制御が可能となる (1)DNAとナノ粒子からなるナノ構造体の作製を行った。強磁性Coナノ粒子とDNAを混ぜマイカ基板上に滴下・乾燥する事によりCoナノ粒子とDNAからなるネットワーク構造構築に成功した。また、ジチオール分子で修飾した金ナノ粒子とDNAからなる密に結合したネットワーク構造構築にも成功した。DNAと金ナノ粒子を混合した溶液を原子層ステップ(高さ約0.2nm)を持つAl_2O_3(0001)単結晶基板上に滴下・乾燥させることにより、DNAネットワークとAuナノ粒子からなるネットワーク構造を得ることが出来、ネットワーク構造は、Al_2O_3の原子ステップに沿って直線状に並んでいることが判った。またポイントコンタクト原子間力顕微鏡の開発によりDNAネットワークのイオン伝導に起因する電流像を観測することに成功した。 (2)分子デバイスを作製するに当たり微細加工によるナノギャップ電極は非常に重要である。強磁性、完全スピン偏極伝導を示す遷移金属酸化物に対して、MoナノマスクーAFMリソグラフィー法を開発し"酸化物ナノ電極"を作製することを行った。レーザMBE法を用いSrTiO_3(001)単結晶基板上に、ほぼ100%スピン偏極率を示す(La, Ba)MnO_3,(Fe, Mn)_3O_4薄膜などへのリソグラフィーを行いナノギャップを形成した。ギャップ幅250nm〜50nmを達成し作製したナノギャップ中へDNA/Auナノ粒子複合体ネットワーク、銅フタロシアニン有機半導体薄膜などを展開した。
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