研究課題/領域番号 |
15087209
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
工位 武治 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (10117955)
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研究分担者 |
塩見 大輔 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 助教授 (40260799)
佐藤 和信 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 助教授 (90264796)
豊田 和男 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60347482)
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キーワード | 磁性 / スピンエレクトロニクス / 原子分子処理 / 量子細線 / 微小共振器 / 量子コンピューティング / 量子情報処理 |
研究概要 |
課題A(超格子強磁性薄膜系量子細線のスピニクス)、D(Aの非線形現象)では、まず、群論的な考察をとりいれた新分子(磁気量子井戸効果)設計の指針に基づいて、B-1単分子有機超常磁性体(本課題B)モデル分子系(S>100)として強スピン分極型のfused oligoporphyrin高スピン分子の単一分子のナノ磁気機能を明らかにするために、微細構造テンソルと共役オリゴ系の交換相互作用の関係を理論面(現象論的アプローチ)から検討した。(B)では、有機分子固有の単分子磁石の性質を解明するための、単一分子の電子スピン共鳴法(単分子系電子磁気共鳴STM)の基礎技術開発では、(1)超高感度・高分解能の測定用の超伝導空洞共振器(Q値200,000以上)を試作する前に、Xバンド超高感度空洞共振器(Q値25,000以上)及びQバンド分光器を用いて、溶液状態における超高スピン分子系のスピンダイナミクスにもとづくESR遷移強度の定量化と理論的な予測を検討した。分子内の多スピン間交換相互作用をもつ系では、異なるスピン状態間のスピン混合が起り、遷移強度の定量化は解析的には得られないことが分かった。(2)単分子系電子磁気共鳴法に適用できる単分子STMの開発では、最初は、信号強度/雑音の点から、マイクロ波を印可しない状態での強磁性「共鳴」(磁化の歳差運動)信号の検出を試みた。検出法としては、広帯域のスペアナを用いて、静磁場に依存する信号を検索する方法を用いた。 17年度は、ホモ及びヘテロスピン分子集積系の単位を数種類合成し、分子スピニクスの新たな応用として、分子スピンバスを量子情報処理・量子コンピュータのハードウェアとする初のパルスベースENDOR実験を行い、Superdense Codingの初めての実験に成功した。分子スピンバス量子コンピュータの有効性を実験的に示した。
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