研究課題/領域番号 |
15087212
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研究機関 | (財)山形県産業技術振興機構 |
研究代表者 |
大矢 博昭 財団法人山形県産業技術振興機構, 生物ラジカル研究所, 副所長 (00025389)
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研究分担者 |
吉村 哲彦 (財)山形県産業技術振興機構, 生物ラジカル研究所, 副所長 (70271517)
尾形 健明 山形大学, 工学部, 教授 (50091830)
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キーワード | in vivo ESR / 携帯型 / フリーラジカル / ストレス応答 / 一酸化窒素(NO) / リポ多糖(LPS) / 植物用 / 誘導型NO合成酵素 |
研究概要 |
1、植物用携帯型ESR装置の開発研究 植物葉試料の大きさに依存しない磁石一体型ESRプローブを開発した。このプローブは、表面コイル型共振器、永久磁石、磁場掃引コイルおよび磁場変調コイル各々1個から構成されており、聴診器のように葉の表面に密着させることで、ESR測定が可能である。 2、植物のストレス応答機構における生体スピン生成消滅機構の研究 植物のストレス耐性能評価を目標に、in vivo ESR/スピンプローブ法を用いて、ストレス応答の機構の解明を試みた。試料としてカイワレダイコンを用い、二酸化窒素およびオゾンの気体暴露下で、植物の酸化還元状態の変化を追跡し、各種阻害物質の影響を調べた。その結果、気体曝露によって植物内が酸化的雰囲気になりプローブ剤が再酸化されるまでの機構には、細胞外からのCaイオンの流入は関与しておらず、細胞内に存在するCaイオンの関与が示唆された。またスーパーオキシドの発生も示された。 3、胃内で産生される一酸化窒素(NO)のin vivo/in vitro評価 胃内では、一酸化窒素(NO)はNO合成酵素(NOS)に依存する経路とNOSに依存しない経路の二つの経路で産生されており、低濃度で胃粘膜の恒常性維持に重要な役割を果たすのに対して、高濃度では胃粘膜障害に関与する。本研究では、(1)NOSに依存する胃内NO産生としてヘリコバクター・ピロリ菌のリボ多糖によるNOS発現系について検討した。その結果、LPSを認識するTLR(Toll like receptor)-2がピロリLPSによって発現上昇することが明らかとなった。また、(2)NOSに依存しない胃内NO産生として亜硝酸塩経口投与モデルについてin vivo/in vitro系で検討した結果、食道・胃接合部組織、特に粘膜内において高濃度のNOを認めた。
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