研究課題/領域番号 |
15087212
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研究機関 | (財)山形県産業技術振興機構 |
研究代表者 |
吉村 哲彦 (財)山形県産業技術振興機構, 研究開発部, 部長 (70271517)
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研究分担者 |
尾形 健明 山形大学, 工学部, 教授 (50091830)
横山 秀克 (独)産業技術総合研究所, 主任研究員 (10281619)
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キーワード | ESR / 一酸化窒素(NO) / ピロリ菌 / リポ多糖(LPS) / ESR / スピンプローブ法 / 植物 / ストレス応答機構 / オキシデイティブバースト |
研究概要 |
1.ヘリコバクター・ピロリのリポ多糖(LPS)による誘導型NO合成酵素(iNOS)発現過程 ピロリ菌は細胞壁構成成分のLPSが、胃の粘膜上皮細胞膜上の病原体認識分子と相互作用することによって宿主に認識されるが、最近、病原体認識分子として注目されているのがToll様受容体(TLR)である。ピロリ菌LPSの胃粘膜上皮細胞TLR(2/4)による認識機構、iNOS発現機構の詳細は明らかにされていない。本研究では、マウス正常胃粘膜培養細胞を用いるin vitroでの研究を通じて、ピロリ菌LPSおよびInterferon(IFN)-γ刺激によるTLRの応答およびiNOS発現に至るシグナル伝達機構を検討した。ピロリ菌LPS+IFN-γ刺激によって、胃粘膜上皮細胞内ではTLR4-ERK-NFκBによるシグナル伝達機構によりTLR2発現が誘導され、このTLR2を介して更にiNOS発現・誘導が増強されることが示唆された。 2.ESR/スピンプローブ法による植物のストレス応答機構の研究 植物にストレスを負荷したとき、オキシデイティブバーストと呼ばれる現象が起こることがある。本研究では、ストレスとして種々の大気汚染ガス、熱、傷を負荷し、予め植物に吸収させたニトロキシルラジカルの消長をESR法で追跡した。カイワレ大根ではO_3とNO_2暴露では酸化的雰囲気になるが、SO_2では変化しなかった。他の植物としてイネを用いた場合、気体ではO_3のみに応答を示した。また、傷と熱ストレスについても同様に応答した。植物に種々のシグナル伝達物質の阻害剤を投与してESR信号の増減を検討した結果、オキシデイティブバーストの原因はスーパーオキシドであること、傷と熱ストレスでは、上記の全ての阻害剤で応答が抑制されたが、O_3ストレスでは、細胞外Ca^<2+>およびNADPH酸化酵素系は無関係であり、他の伝達機構の存在が示唆された。
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