研究分担者 |
大武 美保子 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, COE特任教員(常勤形態) (10361544)
山根 克 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (00361543)
岡田 昌史 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (60323523)
関口 暁宣 弘前大学, 理工学部・知能機械システム工学科, 助手 (80344612)
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研究概要 |
身体の力学系と脳神経系が多重階層的,連続的に構造化された複雑系が示す非線形力学系の挙動の中に,人の知能や心の情報処理の本質があると考えられるようになってきた.このような視点は脳科学,生理学,物理学,哲学,認知心理学,発達心理学などの広い分野において,少なくない研究者たちに共有されている世界観である.本研究では,機械知能を力学的情報処理によって実現するためのモデル仮説を構築することを目的とする.ここでいう機械知能とはシンボルの操作,及びそこから発展する言語的な世界理解や自己内省,それらを用いた他者とのコミュニケーションなどの特徴をもつ認知機能を,機械が自分の体のセンサリ・モータ・マップを多重階層的に発達させることにより獲得するための基本原理である.この基本原理を構成論的に明らかにし,ヒューマノイドロボットの実験と詳細人間モデルを用いたシミュレーションによって実証することを目標とする.今年度は以下の研究課題に取り組んだ. (1)力学的情報処理理論 力学系の多項式設計法:力学系に任意ベクトル場を指定しそれを状態の多項式で近似する実時間アルゴリズムを開発する. (2)ミラーニューロンの数学モデル 隠れマルコフモデル(HMM)を用いたミラーニューロン数学モデルとその計算法:連続型HMMを用いた行為の分節化と離散型HMMによる行為の受容(認識)と生成の双方向計算の効率化と実装する. (3)ヒューマノイドロボットによる行為の受容と生成の実験 従外力運動をするヒューマノイドロボットの試作:外界からの力を受けて運動を変化させることができるヒューマノイドのメカニズムを開発する. (4)人間の筋・骨格詳細モデルによる大規模センサリ・モータ系のシミュレーション モーションキャプチャデータに基づいて筋肉の緊張を順逆動力学計算:既開発のリアルタイムモーションキャプチャシステムと筋・骨格力学モデルを結合してキャプチャーデータから人間の内部感覚情報を計算する.
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