研究概要 |
本研究では,機械知能を力学的情報処理によって実現するためのモデル仮説を構築することを目的としている。機械知能とはシンボルの操作,そこから発展する言語的な世界理解や自己内省,それらを用いた他者とのコミュニケーションなどの特徴をもつ認知機能を,機械が自分の体のセンサリ・モータ・マップを多重階層的に発達させることにより獲得するための基本原理である。平成17年度は以下のような研究を実施した。 (1)ミラーニューロンの数学モデルと力学的情報処理の結合 ・全身運動パターンの教師なし学習なしオンラインセグメンテーション法の開発 ・非単調シグモイド関数を用いた運動記号の階層的抽象化 ・ミメシスモデルにおける部分観察情報からの運動認識と運動生成 ・大規模全身運動パターンデータの分類のための重み付けとそれを用いた運動合成法 (2)ヒューマノイドロボットと力学情報処理の結合実験 ・統計的情報処理に基づいて獲得した記号を用いたコミュニケーション理論 ・ヒューマノイドと人間のリアルタイム身体的コミュニケーション ・意匠設計の自由度を高めるヒューマノイドロボットの開発 ・車輪移動型ヒューマノイドのための一球車移動機構(バスケットボールライダ)の開発 (3)大規模センサリ・モータ系としてのヒューマンモデルシミュレータの開発 ・人間の全身運動パターンと筋張力パターンを統合したミメシスモデルの情報処理 ・人間の運動パターンからの逆動力学計算による神経筋骨格情報の計算法の開発
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