研究課題
本研究では、五感を対象に、マルチモーダル感性のモデル化に焦点を当て、複数の感覚チャネル間での知覚の相互作用と階層的な類型化・解釈との対応付けの過程をモデル化する。そのために、強化現実空間を利用した複合的感性の高精度かつ動的な計測・分析・モデル化法を開発する。H15年度は、5年計画の初年度に当たり、複合感性のモデルの枠組みの検討、感性計測のための強化現実空間の構築に着手した。(1)複合感性のモデル化と情報処理方式人にやさしい情報環境を実現する上でのニーズを分析し包括的な感性のモデルの枠組みを考案した。それらは、知覚感性(複合感覚を通した対象の知覚)、状況感性(人間のおかれた状況の解釈)、オントロジー感性(個人が持つ知識の体系)、行動・表出感性(外界への働きかけ・表現)、意図感性(個人の価値観や意思)から構成される。知覚感性に関しては、感覚神経系に見られる順応や側抑制などの現象を工学的にモデル化し、これを利用した対象の特徴記述法、教示学習のアルゴリズム、対象の種類のカテゴリーを超えた類似尺度の構成法を試みた。また、様々な感性的な表現を収集・分類・整理し、語彙の全集合・個人の持つ語彙の集合・語彙の主観的な分類・様々な感覚イメージとの統合の階層からなるオントロジー感性のモデルを試みた。(2)実空間における複合感性の計測方式環境光の変化をともなう実空間内での人間の個人識別や、位置・身振り・顔の向きなどの時間変化を検出するために、側抑制でも抽出されているコントラスト特徴を利用し、画像のフレーム間での8方向2点間のコントラストの変化量により人物や変化した部位を安定して検出する手法を開発した。また、行動を計測する手法として、マクロ・メゾ・ミクロ視点の統合、パッシブ・アクティブな観測の統合、直接的・間接的なインタラクションの統合による強化現実空間を試作した。
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