研究課題/領域番号 |
15101001
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
藤井 理行 国立極地研究所, 所長 (20125214)
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研究分担者 |
青木 周司 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00183129)
吉田 尚弘 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60174942)
本山 秀明 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (20210099)
飯塚 芳徳 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (40370043)
川村 賢二 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (90431478)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2007
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キーワード | 氷床コア / 南極 / ドームふじ / 地球規模気候変動 / 地球規模環境変動 / 高時間分解能解析 / ミランコビッチ理論 / ダストフラックス |
研究概要 |
本研究の目的は、南極氷床で得られたドームふじ深層コアの氷期サイクルにおける1年スケールの高時間分解能解析法を確立するとともに、コアに記録された急激な気候・環境変動の詳細を解読し、地球規模の変動シナリオの検証を踏まえ、南極域あるいは南半球固有の新たな変動シナリオを解明することである。 完新世,LGM,亜氷期,亜間氷期,氷期(MIS7c→7d)のコアの高時間分解解析を行い、ダスト濃度及び非海塩性カルシウムイオンの関係を調べた。両者は時間分解能1年程度でも変動が残存しており、寒冷な気候ステージでは、いずれも濃度が高く両者の相関が高かった。一方、温暖な気候ステージでは、いずれも濃度が低く、かつ両者の相関は悪い。両者の比は温暖な気候ステージの方が大きい。気候ステージによりダストのカルシウム鉱物の組成が異なりかつ比較的短周期で変動している可能性が示唆された。 コア中の気体組成(酸素と窒素の存在比)の変動が、過去の大気組成でなく現地の夏期日射量を記録していることを見いだし、地球の軌道要素の摂動による日射量の変動から、氷床コアの年代を正確に求めた。この年代に基づくことで、氷床コアから復元された気候変動や二酸化炭素などの温室効果気体の濃度変動を、地球軌道要素と詳細に比較することぶ初めて可能になった。これから北半球高緯度の夏期日射量の変動が氷期一間氷期の気候変動のきっかけであるという、ミランコビッチ理論を支持する結果を得た。 ドームふじとドームCの比較から、数十〜数万年スケールの気候変動だけでなく、千年スケールの気候変動が72万年間にわたって東南極高原で均一に生じていたことが示唆された。千年スケールの変動は酸素同位体だけでなく、ダストのフラックスにもが見られたが、海塩エアロゾルのフラックスには殆ど見られなかった。 平成20年3月17-19日に国内外の研究者を招集し、研究集会を開催した。
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