研究課題
極微量重差分化法の開発は順調に進んでおり、実験は詰めの段階に入っている。重差分化法により単離した遺伝子の機能解析も順調に進んでいる。LATS1、LATS2のノックアウトマウスも作製が終了し、MEFも単離できたので、個体のみでなく細胞レベルの解析を同時に進めている。LATS2をリン酸化するキナーゼと、そのリン酸化部位の決定およびそれを特異的に認識する抗体の作製などによりLats2がM期脱出に重要であることを示唆するデータが得られた。サイクリンG2がγ線照射によって核内にドットを形成することを見出した。自己免疫疾患特異的に発現している遺伝子群を多数単離し、リアルタイムPCRによって個々の患者での発現量を測定して病態との関連を探っている。とくに分裂酵母の減数分裂に関わるものが大きな進展を見せたので、以下に報告する。分裂酵母において、第一減数分裂前期の核の往復運動(ホーステイル運動)は相同染色体の対合、組換えを効率良く起こすために必要である。我々が同定したMcp6とMcp5はそれぞれSPB (spindle pole body)とcell cortexでホーステイル運動に必須の働きをする事が分かった。正確なホーステイル運動のためにはSPBから派生した微小管が対極のcell cortexまで伸長し、微小管上のダイニン複合体がcell cortexに補足、蓄積される事で微小管をスライドさせる事が重要とされている。mcp6破壊株では微小管構造に異常が見られ、mcp5破壊株ではダイニンのcell cortexでの蓄積が減少し、それに伴い微小管のcortical slidingも妨げられていた。これらの結果から、Mcp6はSPBで、正確な星状微小管形成を促進し、Mcp5はcell cortexにおけるダイニンアンカーとしてホーステイル運動を促進しているいると結論した。
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