研究課題/領域番号 |
15102002
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研究機関 | 鹿児島国際大学 |
研究代表者 |
上村 俊雄 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 教授 (40136833)
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研究分担者 |
中園 聡 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 教授 (90243865)
大西 智和 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 助教授 (70244217)
松本 直子 岡山大学, 文学部, 助教授 (30314660)
三辻 利一 奈良教育大学, 名誉教授 (40031546)
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キーワード | 遠隔地交渉 / 遠距離交易 / 南西諸島 / 蛍光X線分析 / 弥生時代 / 古墳時代 / ヨーロッパ新石器時代 / 石棺墓 |
研究概要 |
蛍光X線分析装置とその試料調整のための機器を購入・設置した。中園は設置準備と実験環境の整備、中園・三辻は機械の安定性を確保しながら、他の機械との比較調整や、既測定試料の再測定を行うなどして機械の調整を行った。その後、各地、各時代の試料の分析に着手した。あわせて三辻はデータの検討を継続した。精力的に試料および分析データの蓄積を継続している。 上村を中心として遠隔地交渉関係資料および最新の出土情報等の収集を行うとともに、南西諸島の外来系遺物の収集を継続した。中園はアジア・太平洋地域の調査・研究、松本はヨーロッパ新石器時代や縄文時代に遠距離を移動した可能性のある遺物の資料収集と検討を行った。大西は古墳時代以降の遠隔地交渉関係資料の収集・検討をとくに須恵器に重点を置いて行った。上村・大西は韓国南部地域の遺跡・遺物の調査を行い、遠隔地交渉の手がかりとなる資料の詳細な観察および記録作成を行った。 中園・松本は、弥生時代前期成立期前後に遠隔地交渉が果たした役割を解明するために、長崎県五島列島に所在する弥生時代の墳墓である宇久松原遺跡の発掘調査を実施した。調査では、砂地の遺跡では確認困難とされていた墓壙や追葬の際のラインを確認することができ、また、遠隔地交渉の解明に役立てられる資料が出土するなど大きな成果があった。調査時は、常時公開に努めるとともに、現地説明会・記者発表を行った。さらに、発掘結果を総合的に考察するために科学分析にも着手した。なお、整理は鹿児島国際大学考古学実験室および博物館実習施設で継続的に行っている。調査時、及び資料整理時においては研究補助を雇用した。 各自が収集した文献やデータは、大西が統一的に整理・管理した。公開・普及に関しては、本研究についてのホームページを公開し、研究成果の一部は論文・学会等で発表するとともに、年度末には成果発表のためのシンポジウムを開催した。
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