研究分担者 |
林 仲夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30173016)
松村 昭孝 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60115938)
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
堤 誉志雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180027)
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研究概要 |
R^nにおいてNavier-Stokes方程式は初期条件aがL^nに属するならば滑らかな解uが時間局所的に一意的に存在することが知られている.いまその局所時間をTとする.さらにa∈L^2∩L^nであればuは時間[0,T)においてエネルギー等式が成り立つか?という問題を考察した.もちろんa∈L^2∩L^nあればエネルギー等式を満たすような時間局所解は存在するが,最初に時間(0,T)で与えられた強解u(t)が区間全体で,すなわち,すべての0【less than or equal】t【less than or equal】Tでエネルギー等式を満たすかどうかは決して自明ではない.実際,与えられた初期値a∈L^2∩L^nごとにエネルギー等式を満たす時間局所的な強解が存在するが,その存在時間は最初に指定されたTまで到達するかどうかは保証されないからである.本研究ではu∈C([0,T);L^n)なる強解は,u(0)∈L^2∩L^nであれば,必然的にエネルギー等式を満たすことを証明した. その際,L^nにおけるプレコンパクト集合Kを指定するごとに正数T=T(K)が存在して,Kに属する任意の初期値に対して,C([0,T);L^n)に属する強解uが存在することと,および関数空間C([0,T);L^n)に属する強解は一意的であることが重要な役割を演じる.つぎに本研究では,非有界領域において無限遠方で減衰しない解の考察を行なった.例えば,初期値がL^∞(R^n)に属する関数の場合は,儀我等による古典解の時間局所的な存在が示された(02年).L^∞においては特異積分作用素の有界性が保証されないため,ソレノイダル空間への射影作用素の取り扱いが著しく困難となる.儀我等は,Navier-Stokes方程式特殊な非線形構造に着目し,ハーディ空間とその双対空間であるBMOを駆使してBUC(R^n)に属する初期値に関して,時間局所解を構成した.本研究では斉次ベゾフ空間における双線形評価式と基本解のL^p-L^q評価を確立し,L^∞よりやや広いB^0_∞,∞に初期値をとるNavier-Stokes方程式の時間局所解の一意存在定理を証明した.さらに,解の時間延長可能性について渦度がB^0_∞,∞に値をとる関数として可積分であれば十分であることを示した.
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