研究分担者 |
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
松村 昭孝 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60115938)
林 仲夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30173016)
小川 卓克 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20224107)
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
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研究概要 |
(1)自由度2の渦度ベクトル束縛によるNavier-Stokes方程式の局所古典解の延長可能性3次元空間におけるNavier-Stoke方程式の解の挙動は渦度ベクトルω=(ω_1,ω_2,ω_3)によって支配される.解の特異点の発生に関して,偏微分方程式論の立場から考察したBeale-Kato-Majdaの結果は有名である.実際,彼らは時間(0,T)で滑らかな解u(t)が渦度ベクトルの3成分ω_1(i=1,2,3)すべてを束縛すれば特異点はt=Tでは発生しないことを示した.本研究では,渦度に関してはBMOノルムを指標に取り,自由度2の制限で十分であることを示した.物理的には3次元空間における流体運動においても,渦度ベクトル2成分の挙動束縛し自由度1のスカラー関数とすることにより,2次元平面の流れと同様に扱うことが可能であることを意味している.また,Beale-Kato-Majdaが定式化したL^∞空間より広いBMO関数より延長可能性が判定できることを証明したことは,調和解析学の視点からの数学的な改良であると言えよう. (2)斉次Triebel-Lizorkin空間における双線形評価とそのNavier-Stokes方程式への応用Navier-Stokes方程式の初期値問題の局所可解性に関しては,これまでのところKoch-TataruによるBMO^<-1>を初期データとしたものが一番広い関数空間における存在定理である. 斉次Triebel-Lizorkin空間とF^^・^S_<p,q>の比較においてはBMO^<-1>=F^^・^<-1>_<∞,2>であることに注意すれば構成された局所古典解の延長可能性を斉次Triebel-Lizorkin空間において考察することは自然である.本研究では,F^^・^S_<p,∞>における双線形評価を導いた. 応用として,Navire-Stoke方程式のR^n×(0,T)における古典解uが延長可能性を斉次Triebel-Lizorkin空間にて定式化した.
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