研究課題/領域番号 |
15104004
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
相良 建至 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00128026)
|
研究分担者 |
池田 伸夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (70193208)
森川 恒安 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (00274423)
野呂 哲夫 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30164750)
|
キーワード | 天体熱核融合反応 / ヘリウム燃焼 / 星の進化 / 超低バックグランド / 長時間チョッパー / 窓なし気体標的 / 直接測定 |
研究概要 |
星の進化に重大な影響を及ぼすが実験が非常に困難で未測定なため世界的注目を浴びている^<12>C+^4He→^<16>O+γ反応のEcm=300keVでの反応速度を、精度良く測定するのが本研究の主目的である。時間当たりの検出量を既定方針に従って増やすことと、既に世界最高レベルにあるバックグランド(BG)レベルを新アイデアによりあと5桁低減すること、が必要である。 本年度は、まずBG低減のために、新考案の長時間チョッパーと大口径の磁石レンズとを設計しかつ製作した。 磁石レンズには、ダクト内壁に当たる1次ビームからのBGを1桁以上低減するように、大口径ダクトと3組の可動スリットを持たせた。 新考案の長時間チョッパーには、フラットトップ波形で可変高周波(2-7MHz)かつ高電圧(30kV以上)の電源が必要であるが、市販品にはない。そこでこの電源を協力会社と共同開発した。絶縁素材の電磁誘導発熱、沿面放電や小曲率表面からの放電、加熱変形による反射増加等々、開発につきもののトラブルが多発したが、その都度アイデアを出して克服した結果、予想を遥かに上回る60kVの高電圧を達成した。これによりBG低減能力が倍増した。 これらの長時間チョッパーと大口径磁石レンズにより、BGは原理的には皆無になるはずだが、現実には3桁程度の低減が期待される。その検証実験の準備を進めた。3月以降に実験する。 次に検出量増加のために、九大独自の吹込み型窓なし気体標的を冷却する装置を設計・製作した。この設計において、循環ガス純化装置を保守運転に人手の要る液体窒素方式でなくクライオ冷凍方式で実現することを考案した。この方式で長期間連続する天体核反応実験が容易になる。
|