研究課題/領域番号 |
15104004
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
相良 建至 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00128026)
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研究分担者 |
野呂 哲夫 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30164750)
森川 恒安 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (00274423)
池田 伸夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70193208)
若狭 智嗣 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (10311771)
寺西 高 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (10323495)
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キーワード | 星でのヘリウム燃焼 / 天体熱核融合 / 星の進化 / 超低バックグランド / タンデム加速器 / ビームパルス化 / 窓なし気体標的 |
研究概要 |
Ecm=0.3MeVでの^<12>C+^4He→^<16>O+γ反応の反応断面積は星での元素生成で決定的に重要な働きをするので約40年前から世界で測定が試みられてきたが、極めて難しい実験なので未確定である。我々は15年前からこの実験の準備を進めてきた。我々の方法では^<12>C+^4He→^<16>O+γ反応からの^<16>Oを検出する方法でEcm=2.4MeV〜0.7MeVの断面積を測定し、結果をEcm=0.3MeVに外挿する。これが最終目標に到達可能な唯一の方法であるが、困難は多い。本研究経費2年目の2004年にEcm=2.4MeVでの^<16>O検出に成功したが、断面積絶対値は得られなかった。 最終目標に到達するには、a)ビーム量を5μA以上に、b)標的量を25Torrx3cmに、c)バックグランド(BG)を10^<-19>以下に、d)ビームをバルス化、e)RF発振を低周波数化・安定化、f)反跳粒子質量分析器(RMS)のスリット系を最適化、g)そしてデータ外挿法を確立、する必要がある。D)は既に終えており、c)は10^<-17>まで達成しており残るBGは1.2MeV以下にならないと見えない。本年度は、c)、d)以外の全てに取り組み、b)は最終目標に達した。閉じ込めにくいヘリウムガスで25Torrの窓なし標的を実現し、過去の世界レベルを5倍上回った。残るa)、e)、f)、g)については、今年度で基礎研究を終えてEcm=0.7MeVでの測定までの具体方針ができ、既に60-80%達成した。 本年度に、Ecm=2.4MeVでの再測定で改造後のシステムチェックとEcm=1.5MeVでの測定を目指したが、RMSの固定スリットでビームハローが新たなBGを発生し、この対策に追われて1.5MeVに進めなかった。ドイツ・ルール大学ではEcm=5MeV〜1.9MeVで測定している。19年度に追抜けなかったが、20年度には追抜いて我々が世界トップになる。あと約3年で最終目標のEcm=0.7MeVで測定し40年競争を終わらせる目途が、本研究でつけられた。
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