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2003 年度 実績報告書

放射光粉末構造解析による光励起状態の構造決定

研究課題

研究課題/領域番号 15104005
研究機関名古屋大学

研究代表者

守友 浩  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00283466)

研究分担者 加藤 健一  高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門I, 研究員 (90344390)
高田 昌樹  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60197100)
キーワード時間分解構造解析 / 粉末X線構造解析 / MEM電子分布解析 / SPring-8
研究概要

名古屋大学において、ナノ秒時間分解吸収分光測定装置を立ち上げ、光誘起現象の探索とその時間スケールの決定を開始した。プローブ光源は、ハロゲンランプである。分光器で分光した後、ゲート付きCCDで時間分解をおこなう。波長範囲は、400-900nmである。ゲート幅、10nsでも充分なS/Nが得られている。励起光源は、YAGレーザーの二倍波または三倍波である。来年度に、ナノ秒OPOを導入し、400nm-2000nmの波長範囲での励起を可能にする。装置の性能を確認するため、ペロブスカイト型マンガン酸化物の光励起効果を測定した。文献値とコンシシステントな実験結果が得られた。来年度は、この測定装置を用いて、シアノ錯体、遷移金属酸化物、等の物質群の光誘起効果を系統的に調べる。興味深い光応答を示す物質は、Spring-8の持ってゆき時間分解精密構造解析を行う。
Spring-8では、アンジュレーター光源を用いて、X線粉末回折法による時間分解精密構造解析、及び、X線ストリークカメラによる構造ダイナミクスの研究を行う。X線粉末回折法に向けては、平成16年度の予算で、専用の水平ゴニオ系を設計・作成する予定である。特に、一枚のイメージング・プレートに複数の回折パターンを測定できるように設計する。本年度予算で、X線ストリークカメラを導入した。現在、鋭意、問題点を洗い出し、立ち上げを行っている。特に、BL40XUビームラインにおいて、パルスセレクターと同期を行い、信号強度の増大に努める。
また、湾曲磁石光源を用いて、光誘起準安定構造の決定、及び、動的相転移の研究を行う。動的相転移とは、緩和時間の遅い励起サイトをマクロに溜め込むことによる光励起定常状態の相転移のことである。典型的な例は、スピンクロスオーバー錯体である。この錯体では、光励起により、鉄サイトが低スピン状態から高スピン状態へと励起される。励起光強度を強くすると、高スピンサイトの濃度が増大する。そして、そして、臨界光強度に至ると、相転移が誘起され第二相が出現する。この第二相は、光励起下でしか存知しない。我々は、この第二相の電子レベルでの構造解析に成功した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 守友 浩: "放射光X線を使った鉄(II)錯塩の非平衡定常状態の研究"放射光学会誌. 16. 306-311 (2003)

  • [文献書誌] Y.Moritomo: "Pressure- and photoinduced transformation into a metastable phase in Rb Mn[Fe(CN)6]"Physical Review B. 68. 144106 (2003)

  • [文献書誌] M.Hanawa: "Coherent Domain Growth under Photo-Excitation in a Prussian Blue Analogue"Journal of Physical Society of Japan. 72. 987-990 (2003)

  • [文献書誌] K.Kato: "Direct observattion of charge-transfer in double-perovskite-like RbMn[Fe(CN)6]"Physical Review Letters. 91. 255502 (2003)

  • [文献書誌] X.J.Liu: "Dynamical phase transition in a spin-crossover complex"Journal of Physical Society of Japan. 72. 1615-1618 (2003)

  • [文献書誌] X.J.Liu: "Optical hysteresis in a spin-crossover complex"Physical Review B. 67. 012102 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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