研究概要 |
東アジアの湿潤環境下で発生・発達するメソ対流系,特に,東シナ海東部海上の梅雨前線付近で発生するメソ対流系の発生・発達機構の解明を目的として,航空機観測等以下の研究をおこなった. 1,メソ対流系予測システムとして並列計算機を購入し,気象庁から提供される客観解析データを初期値に用い,雲解像モデルによる数値予測実験を観測対象領域で行い,航空機観測の飛行経路を決定するシステムの試験を行った. 2.平成15年10月4日に東シナ海東部を南北に飛行し,地上約500mの高度での気温,湿度,風の観測及び4点でのドロップゾンデ観測を行い,正常にデータを取得した. 3.メソ対流系予測システムを用いた雲解像モデルによる数値予測実験結果を飛行航路選定の参考にする試験を行い,実用性のあることを確かめた. 4.航空機観測データを解析し,下層の湿潤大気構造の特徴について新しい知見を得た.また,東シナ海上の大気の鉛直構造について,観測データと数値実験結果を比較し,格子サイズ1km以下の数値モデルによる研究の意義を確認した. これらの結果をもとに,平成16,17年度の,梅雨前線付近で発生するメソ対流系の発生・発達機構の航空機観測方法の検討を行い,観測機器構成について確認し関係研究機関と打ち合わせを行った. 5.東シナ海上の梅雨前線帯のメソ対流系に関する研究を論文にまとめた. 6.ドロップゾンデ観測等の結果をもとに研究論文執筆を進めた.
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