研究概要 |
平成19年度は平成16年度と平成17年度に鹿児島空港を基地として行った,東シナ海東部海上における梅雨前線帯のメソ対流系の発生・発達機構に関する航空機観測データの解析や,雲解像数値モデルCReSSを用いた数値実験を行い,梅雨前線の南側に水蒸気前線が複数本存在しうることを実証的に明らかにした.CReSSによる数値実験結果を用いた流跡線解析により,梅雨前線及び水蒸気前線上のメソ対流系の発生・発達には中国大陸からの気流・東シナ海からの気流が大きな役割をはたしていることを明らかにした.また中国大陸や日本の湿潤環境場におけるメソ対流系の構造及び発生・発達機構について過去の観測データを用いた解析を行い,その成果を研究論文にまとめた. 本研究の成果を台湾台北市,横浜市及び那覇市における国際会議等で発表し,国内外の招待講演において本研究の成果を紹介した.また本研究で改良した雲解像数値モデルを海外に普及した.本研究におけるドロップゾンデ観測の経験をもとに,ドロップゾンデ観測法及び新型ドロップゾンデ開発に関する検討を航空機会社及びラジオゾンデ製造会社と共同ですすめた. 本研究5年間の成果をとりまとめて成果報告書を作成した.
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