研究課題/領域番号 |
15104008
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
丸山 茂徳 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50111737)
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研究分担者 |
圦本 尚義 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80191485)
中嶋 悟 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80237255)
磯崎 行雄 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90144914)
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キーワード | 横軸46億年研究 / 特異点精密研究 / 表層環境進化 / 大量絶滅 / 大陸地殻成長史 / 川砂ジルコン年代頻度分布 / 全球凍結 / 古生物化学 |
研究概要 |
1992年以来、継続的に進めてきた、全地球史解読試料に基づいて、(1)横軸46年史研究、(2)地球史上の最重要特異点の精密研究、の2点を報告する。 (1)世界の主要河川32の川砂ジルコンのU-Pb年代頻度分布研究は北米と南米を終え、本年度は北米のジルコンのεHfからリサイクル率を見積もり、論文化した。現在、南アジアとアフリカの主要河川のU-Pb年代測定がほぼ収束し、論文化を進めている。深海と浅海の炭酸塩岩試料から当時の酸素濃度を定量的に復元する溶液熱力学モデルを開発し、表層環境酸素濃度変遷モデルを作った(投稿中)。また、35億年前の中央海嶺でのメタン菌によるメタン生成機構を明らかにした。現在、次の要素、海水の化学組成各要素(例えば、塩分濃度やリンなど)の定量解析へと発展中である。 (2)地球史を大きく変えた時代、27-28億年前、7-6億年前、2.5億年前の研究状況は次の通り。28-27億年前の表層環境解析は、永年継続して進めて来た西オーストラリア地域の古環境復元論文が印刷された。この時期に噴出した洪水玄武岩の地質と岩石学に基づき、同時に文献学から、28-27億年前にほぼ全球を約2000m覆った洪水玄武岩の活動を推定した。7-6億年前の全球凍結問題については以下の通り。プレート収束地域の温度推定に基づいて、全球凍結を引き起こした原因と解凍機構のシナリオの論文を発表した。更に中国の掘削試料を使って、全球凍結直後の表層環境を定量的に解読する為に、δ13C炭酸塩岩、δ13C黒色頁岩、δ88Sr炭酸塩:岩、δ180炭酸塩岩、の同位体柱状図計画を進め、既に60余のデータがでている。同様の分析をP/T境界で磯崎が推進し、一部を論文化した。初期生命の同定や代謝反応に関して、中嶋と圦本の指導の下に院生が研究を推進し、論文投稿中である。
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