研究課題/領域番号 |
15104008
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
丸山 茂徳 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50111737)
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研究分担者 |
圦本 尚善 北海道大学, 大学院・理工業学研究科, 教授 (80191485)
中嶋 悟 大阪大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80237255)
磯崎 行雄 東京大学, 大総合文化研究科, 教授 (90144914)
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キーワード | 環境変動 / 岩石・鉱物・鉱床学 / 地質学 / 層位・古生物学 / 惑星起源・進化 |
研究概要 |
本計画では、以下の課題を推進し、初期の申請計画の目的を達成した。 (1)大陸地殻成長史:世界の大陸面積の約50%をカバーする川砂ジルコン(約6000個)のU-Pb年代とεHfから大陸地殻成長史を解明した。結果は先行研究や予測とは大きく異なり、大陸地殻は太古代末(27億年前)までに20%しか成長せず、原生代(25-5.4億年前)の間に70-80%成長したことが明らかになった(丸山)。 (2)二酸化炭素濃度変化:深海の二酸化炭素濃度は38-27億年前までの間、現在よりも約100倍多かったが、25億年前には現在と変わらない程度まで減少したことを付加体中の海洋底玄武岩の研究から解明した(丸山)。 (3)酸素濃度:深海と浅海の炭酸塩岩のREE中のCeの酸化度を実測し、溶液熱化学計算法の開発によって酸素濃度の変遷を推定した。結果は、顕生代以降の急激な酸素濃度の上昇に加えて、20億年前後にも2回の急激な酸素濃度上昇の時期があることを明らかにした(小宮・丸山)。 (4)8-6億年前の全球凍結と直後の生物大進化:南中国の掘削、エデイアカラ紀からカンブリア紀(635-542Ma)までのほぼ連続した浅海堆積物の化学柱状図(炭酸塩岩のδ13C、87Sr/86Sr,δ18O)を完成、記載し、世界の標準柱状図として提案した(成果、(10)(11))。 宇宙におけるスターバースト、銀河宇宙線の増大とゲノムレベルの大進化、形態発現を支配した地球化学環境の準備を総合化した生物大進化モデルを構築し、投稿準備中である。 (5)古生代/中生代境界事件:この境界の精密な化学柱状図(炭酸塩岩のδ13C、87Sr/86Sr,δ18O)を完成させ、二段階絶滅モデルを提唱した(磯崎)。 (6)生命化石の新しい同定法の開発;シアノバクテリアの炭化実験に基づき、古細菌と真性細菌を区別しうる判別図を提唱した(中嶋、ゆり本)。
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