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2004 年度 実績報告書

貝殻形成に関わる遺伝子の網罹的探索:軟体動物ゲノムプロジェクトに向けて

研究課題

研究課題/領域番号 15104009
研究機関筑波大学

研究代表者

遠藤 一佳  筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (80251411)

研究分担者 倉谷 滋  理化学研究所, 形態進化研究チーム, チームリーダー (00178089)
キーワード貝殻形成 / 軟体動物 / 発生進化学 / バイオミネラリゼーション / 形態形成 / 発生遺伝学 / Lymnaea / ゲノム
研究概要

今年度は以下の研究成果を得た.(1)軟体動物を代表する7種のHox遺伝子をPCR法により増幅し,遺伝子組成を推定した.その結果,軟体動物の最終共通祖先が最低12個のHox遺伝子を持っていたこと,体制の複雑さとHox遺伝子の数が相関しないこと,貝殻形成と関連するとされたHox4の有無と貝殻の有無が対応しないことがわかった.(2)貝殻基質タンパク質dermatopontinの相補的DNAを単離し,構造と発現の解析を行った.その結果,Lymnaeaのdermatopontinには外套膜での発現が強いタイプ1と体の各組織で発現するタイプ2,3の最低3種類のパラログがあることがわかった.またこのうち糖鎖結合モチーフを持つものがタイプ1だけであることも明らかとなり,貝殻形成との関連が示唆された.(3)アコヤガイで知られる6種類の貝殻基質タンパク質の遺伝子の発現解析を行った.その結果,外套膜全体で発現するnacrein以外は,それぞれ外套膜の外側(Aspein, MSI31,Prismalin 14)もしくは内側(N16,MSI60)のみで発現することがわかり,それぞれが稜柱層と真珠層の作り分けに関与していることが示唆された.また,外套膜の外側と内側で発現しているそれぞれの遺伝子の発現量がそれぞれ相関していることも明らかとなり,それぞれの遺伝子発現が同一の因子によって調節されている可能性が示唆された.(4)Lymmaea成体の外套膜において左右非対称的に発現している2種類の遺伝子(右側と左側それぞれに特異的な遺伝子1種類ずつ)をHiCEP法を用いて単離し,その構造と発現の解析を行った,その結果,左巻きの系統の右側でgalectinが,また左側で膜表面の銅受容体のホモログが特異的に発現していることが明らかとなった.現在これらの観察事実と殻の巻きとの関連についてさらに解析を行っている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Structure and expression of an unusually acidic matrix protein of pearl oyster shells2004

    • 著者名/発表者名
      Tsukamoto, D., Sarashina, I., Endo, K.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 320(4)

      ページ: 1175-1180

  • [図書] 古生物の科学 第4巻 (分担執筆「生体高分子と歴史情報」)2004

    • 著者名/発表者名
      遠藤一佳
    • 総ページ数
      28
    • 出版者
      朝倉書店
  • [図書] Biomineralization : formation, diversity, evolution and application (分担執筆Lymnaea stagnalis as a Model Organism for Studies of Calcium Carbonate Biomineralization)2004

    • 著者名/発表者名
      Endo, K., Sarashina, I., Asami, T.
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      Tokai Univ.Press.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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