研究概要 |
[研究目的]チップ間無線通信を導入した高認知度処理システムの三次元集積アーキテクチャ21世紀COE研究「テラビット情報ナノエレクトロニクス」における,システム・回路領域の研究計画である. [特色,独創性,意義]これまで三次元集積技術が研究開発されてきたが、チップ間貫通金属配線、高精度なチップ積層、放熱、歩留まり等の課題を解決できていない。これらを解決するために複数チップ間を広帯域の無線で通信する三次元集積アーキテクチャを提案する.三次元の接続をフレキシブルに再構成可能にして,この特徴を活用して生体処理原理による高適応ビジョンや高度な脳機能の実現を目指す. 1.チップ間無線情報通信方式と三次元集積デバイス設計 (1)集積化トランスを用いたボード上のチップ間シリアル通信技術を開発.伝送距離20cmで2mW/Gbpsを達成. (2)集積化トランスを利用した超低電力チップ間無線通信回路を考案.伝送距離50cm、500Mbps、10mWを実現. (3)インダクタを用いた超並列・非接触チップ間通信のための電力供給実装技術を開発. 2.チップ間無線通信を活用した高認知度処理システム 2.1高い適応能力のビジョンアルゴリズムとシステム化 (1)生体情報処理原理に基づく複数アルゴリズム画像処理を実行する階層的多機能マルチチップビジョン・システムの機能構成,アーキテクチャおよびインタコネクト方法を開発.プロトタイプシステムにより動作実証を行った. (2)アナデジ融合連想メモリを活用して、画像分割、特徴抽出などの画像処理の高機能化、高性能,超低電力化を達成.物体追跡システムを構成して、動作検証を行った。 (3)三次元集積システムの特徴を利用した窓サイズを適応化する新しいステレオ・マッチング・アルゴリズムを開発. 2.2 ロボット等における脳機能の処理アルゴリズムとシステム化 (1)脳のモデルを基にしたアナデジ融合連想メモリのアーキテクチャの開発とシステムとしての性能指標を目指してモデル評価方法の研究を進め,物体認識における有効性を実証した. (2)三次元集積システム上での予測・戦略などの高次脳機能の実現を目指して、強化学習による行動学習のアルゴリズムを改良した.
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