研究分担者 |
石田 哲也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60312972)
東畑 郁生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20155500)
龍岡 文夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111565)
半井 健一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10359656)
内村 太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60292885)
|
研究概要 |
本年度は以下の項目に関する研究成果を得た。 (1)地盤-コンクリート複合システムの細孔組織構造モデル 地盤材料の主たる連続空隙径とコンクリート硬化体の空隙径とはおよそ2-3オーダーの開きがあるため,両者の相互作用を一般的に記述するために,10^<-10>mの相関空隙,10^<-9>mのゲル空隙,10^<-6>mの毛細管空隙10^<-3>mオーダーの土粒子細孔空隙を統括する統計空隙モデルを,従来のコンクリートの多相構造モデルを発展させて構築した。 (2)カルシウムイオンおよびOH基の溶出移動モデルの組み込み セメント硬化体中の水酸化カルシウム結晶の溶解平衡,移動拡散に関する3次元解析システムを,3次元コンクリート連成解析システムDuCOMに組み込み,地中コンクリート構造から地盤中の地下水への溶出を解析するプログラムを開発し,低水セメント比と高セメント比コンクリートの地盤内へのカルシウムとOH基イオンの移動拡散が適切に模擬されることを確認した。また,これを実証検証するための現地データの収集を行った。 (3)セメント改良士の構造材料モデル セメント改良士を用いた断熱温度上昇試験を行い,改良土中のセメントの水和反応過程を熱分析によって抽出することができた。また,従来の多鉱物型セメント水和反応モデルを,セメント改良土の実質水セメント比を与えて単純拡張することで,水和発熱反応を追跡できることを実証した。また,水和度と強度発現特性がコンクリートと比較して大きく異なること,長期にわたって水和が進行することが分かった。セメント改良土をDuCOMシステムに同時に組み入れた。 (4)液状化地盤中の杭の非線形応答と損傷 せん断土槽に飽和砂と底盤固定型のRC杭を装備して,これに振動台を用いた動的載荷実験を行い,実際の杭に液状化状態で損傷を導入することに成功した。また,これを数値解析で予測するための土粒子骨格構成モデルを作成して,現在,検証を行っている。
|