研究分担者 |
白石 昌也 早稲田大学, 大学院・アジア太平洋研究科, 教授 (70127330)
佐藤 滋 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60139516)
西本 真一 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (10198517)
村松 伸 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70202356)
大田 省一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60343117)
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研究概要 |
ユネスコ世界遺産「フエの建造物群」(1993年登録)に対する適切な修復・保存方法の確立と失われた阮朝・乾成宮に対するヴィエトナム政府主導による再建計画事業に資する学術情報の収集をヴィエトナム文化情報省およびトゥアティエン・フエ県人民委員会,同県立フエ遺跡保存センターの要請,協力支援を得て,国際協力の枠組みの下で行った. 阮朝・乾成宮はその正門である大宮門と勤政殿・乾成殿など紫禁城内の主要な宮殿建築群によって構成され,伝統的な配置計画の規範を踏襲して南北主軸線上に置かれている.王宮の中で最も重要な宮域であったために,20世紀初頭の植民地期のフランス人研究者が調査許可を得られず,更にはヴィエトナム戦争の渦中に焼失してしまった経緯により,これまで実測値などの一次資料が圧倒的に不足していた場所でもある.本研究に至るまで平成6年度から開始した科研費による継続研究の結果,各々の基壇上の柱配置などの実測と床面の装飾タイル等の痕跡調査が行われ,復原考察を開始する上で基盤となる平面情報が概ね収集・整理された状況にあった. 上記の成果を格段に前進させるため,基礎研究8項目(フエの建造物群の基礎資料集成の作成/細部意匠の悉皆調査とデータベース/阮朝・史料の収集および読解・整理/伝統技術保持者に対する聞き取り調査/日本・韓国・中国の都城と宮殿建築との比較調査/先行事例研究/歴史的都市の保存・再生計画に関する調査/文化財保護行政,技術移転,国際協力に関する調査),応用研究5項目(基壇発掘調査計画の策定/復原設計研究/材料・施工技術調査/環境復原調査/マスタープラン)の遂行を行った.
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