研究分担者 |
垣鍔 直 足利工業大学, 工学部, 教授 (30259874)
栃原 裕 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (50095907)
菊池 安行 千葉大学, 工学部, 名誉教授 (10009235)
下村 義弘 千葉大学, 工学部, 助手 (60323432)
岩永 光一 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (70160124)
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研究概要 |
人類にとって新しい環境である人工環境は,自然環境とは異なる様々な影響を人類に与えている。本研究はこうした人工環境に対するヒトの生理反応を詳細に検討することにより,生理反応の多型性を明らかにすることを目的としている。 本年度の研究実績の概要を以下に示す。 1.デジタル脳波計,連続指血圧測定装置などの設備備品を購入し,研究体制を整備した。 2.熱環境に対するヒトの生理反応に関して,Jozef Stefan Institute (スロベニア)のIgor B. Mekjavic教授を訪ねるなどして,実験手法の調査検討を行った。 3.光環境に対する生理反応に関して,光の照度,色温度を変えた4条件下で味覚閾値,唾液量を日本人と中国人で測定した。その結果,日本人では照度が低いと甘味と苦味の閾値は高くなり,色温度が高いと閾値が低くなる傾向が見られた。中国人では,照度が低いと甘味と苦味の閾値は高くなり,色温度が低いと甘味の閾値は高くなることが示された。また,日本人,中国人共に2001xの照度環境で唾液量は増加した。色温度によって日本人の唾液量に変化はなかったが,中国人の唾液量は3000Kの色温度で7500Kより増加することが明かとなった。 4.音環境に対する生理反応に関して,超音波のヒトに及ぼす影響を聴性脳幹反応(ABR)により検討した結果,クリック音刺激や5kHzのトーンバースト刺激で見られるABR波形が25kHzのトーンバースト刺激では見られないことが確認された。また,低周波数(標的:500Hz,標準:250Hz)と高周波数(標的:2000Hz,標準:1000Hz)の音刺激に対する事象関連脳電位のP300を17:00と1:00の異なる時刻に測定した結果,低周波音は高周波音よりP300振幅は高く,また深夜1:00のP300振幅は17:00のものより有意に低いことが明らかとなった。
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