研究課題
基盤研究(S)
消化管の解毒排出に関わる第1相(CYP等)、第2相酵素(UGT等)、第3相トランスポーター(MDR、MRP等)の活性を調節する食品因子の探索と分子機構の解析を行った。まず、ヒト腸管上皮細胞株を用いてMDR1に直接作用する制御因子を食品素材中に探索し、2-モノパルミチンを同定した。一方、核内受容体PXRは異物代謝調節に関わることから、PXR活性化作用を持つ食品因子の探索をレポーターアッセイ系を用いて行った。いくつかのフラボノイド、テルペノイドにPXR活性化作用を見出し、それらがmRNA縲怎^ンパク質縲怺・ォレベルでMDR1発現を亢進することを明らかにした。また、転写因子AhRを介して第1相酵素の発現を抑制するフラボノイド、PXRを介して第1相酵素発現を抑制するテルペノイド、第2相酵素の活性調節作用を持つフラボノイド、テルペノイド、アミノ酸、イソフラボンとその代謝物などを見出した。各種の食品因子によるCYP1A1、UGT1A1、MDR1、MRP2などの解毒酵素発現誘導パターンから、食品因子は解毒・排出のプロセスを協調的にかつ多様に動かしていること、食品因子が転写因子と直接結合しその核内移行を誘導することなどを示した。さらに、機能性食品因子が生理活性を発現する上で解毒系が重要な役割を果たすことも明らかにした。食品の解毒代謝の意味合いを単なる有害物質の無毒化・排除という安全面の問題と捉えず、「食品成分の機能性の向上作用」のような機能性の調節という問題として捉える必要があることを明確にしたこと、食品因子にはダイオキシンや有機金属などの環境化学物質と同様にある種の消化管の解毒・排出系の活性を変動させる作用があることを明確にしたことは、本研究のもっとも重要な成果である。
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