研究課題/領域番号 |
15108004
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
喜田 宏 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10109506)
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研究分担者 |
梅村 孝司 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00151936)
迫田 義博 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (40333637)
河岡 義裕 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70135838)
伊藤 壽啓 鳥取大学, 農学部, 教授 (00176348)
小笠原 一誠 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20169163)
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キーワード | インフルエンザウイルス / グローバルサーベイランス / ワクチン / 抗ウイルス薬 / 診断 |
研究概要 |
本研究は、家禽と家畜のインフルエンザの被害を未然に防ぐとともに、ヒトの新型インフルエンザウイルスの出現に備え、その予防と制圧に資することを目的とする。 ・動物インフルエンザのグローバルサーベイランスによるウイルス分布の解明 日本、モンゴルにおいて、野生水禽の糞便合計1,724検体から58株のインフルエンザウイルスを分離同定した。分離されたウイルスはHA亜型(H1-H16)とNA亜型(N1-N9)に基づいて系統保存した。HAとNAの組み合わせに基づく144通りのうち、現在までに126通りのウイルスをワクチン候補株として保存した。2005年夏、モンゴルの湖沼で多数の野鳥が斃死体として発見された。その中のハクチョウおよびインドガンの臓器材料からH5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが分離された。本ウイルスは同年中国の青海湖で斃死した野生水禽から分離された高病原性H5N1ウイルス株とすべての遺伝子が近縁であった。 ・インフルエンザウイルスの病原性決定因子の同定 高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染したニワトリでは、血管内皮細胞や単核球の機能不全により血液凝固機構が異常亢進し、その結果欠乏性の血液凝固不全が起こることを実験により明らかにした。リバースジェネティクス法および電子顕微鏡を用いた解析によりインフルエンザウイルスの粒子形成および分節遺伝子のウイルス粒子内の取り込み機構を明らかにした。 ・ベッドサイド早期迅速インフルエンザ診断法の開発 NP蛋白を検出する簡易診断キットを改良し、本キットが鳥および豚インフルエンザの診断に有用であることを動物試験により確認した。A型インフルエンザウイルスH5およびH7亜型に特異的なモノクローン抗体を作出し、この抗体を用いた簡易診断キットを試作し、十分な感度と特異性を有することを確認した。
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