WT1ペプチド免疫療法の安全性を評価するための第I相臨床研究を2001年にスタートした。この第I相臨床研究では12人のAML患者にWT1ペプチドワクチンが投与された。このうち8人が臨床効果評価病変(微小残存白血病細胞)をもち、臨床効果の評価が可能であった。この8人のうち4人が、2週毎の計3回のWT1ペプチドワクチンの投与で微小残存白血病細胞が減少(WT1 mRNAレベルの低下)し、臨床効果が見られ、さらにこの4人のうち3人が3年10ヶ月〜4年にわたり、現在もWT1ペプチドワクチンの継続投与を受けている。WT1ペプチドワクチン投与前は、この3人は分子再発の状態(約10^<10>個の白血病細胞が残存)にあったが、WT1ペプチドワクチンの継続投与により、白血病の微小残存病変が減少し、WT1ペプチドワクチン投与後3年10ヶ月〜4年にあたる現在、完全寛解が持続している。副作用はWT1ペプチドワクチンの投与部位の発赤、腫脹以外、重篤なものはない。3人のうち2人では、WT1特異的細胞傷害性T細胞(CTL)が、長期にモニターされているが、2人とも0.08〜0.16%の頻度で、WT1特異的CTLが持続的に誘導されつづけており、このうち70-80%がeffector細胞であった。以上のことは、本免疫療法は、AMLの分子再発には有用であることを示している。
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