研究課題
平成16年度には、前年度の成果をもとに、XMLのような構造化文書の代数的構造を的確に捉え、効率のよいプログラムを構築するための言語機能を追究した。昨年度に提案した構造化文書自体にプログラムのコードを内包するProgrammable Structured Document(PSD)の考え方に基づき、当該文書に関する操作を文書内に記述する双方向変換(Bi-directional transformation)言語X/Invを設計し、構造化文書の編集システムのプロトタイプを開発し、有効性を確認した。この考察に基づき、計算機内に構造化文書自体の変換を記述するコードを置くPSDの枠組みを設計することができるようになった。この方式によるPSDは構造化文書の効率的な変換に適しているほか、変換プログラムを操作するメタプログラムを運算随伴機構として実現する際にも有効である。さらに、本年度の研究として、運算随伴機構に必要とされるパターンマッチングアルゴリズムについて、昨年度の成果を拡張して、高階パターンマッチングに基づく変換システムを作成して有効性を確認した。この成果は、これまでの変換システムには見られなかった関数や演算子の導出を含む強力なものであり、広範な変換アルゴリズムを捉えることができる。上記の研究成果は、国際会議・学会大会で発表したほか、論文として公表した。また、2005年1月には、国内外から関連分野の研究者を招聘して国際ワークショップを開催し、本研究課題の成果の報告と、関連研究について議論を深め、次年度(最終年度)の研究とりまとめの位置づけを確認した。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
コンピュータソフトウェア 21・3
ページ: 71-76
Information Processing Letters 89・6
ページ: 309-314
Mathematics for Programming Construction(MPC2004), Springer LNCS3125
ページ: 289-313
Partial Evaluation and Semantics-Based Program Manipulation (PEPM'04), ACM Press
ページ: 178-189
International Workshop on New Approaches to Software Construction(WNASC2004)
ページ: 3-22
The 2nd Asian Symposium on Programming Languages and Systems(APLAS52004)
ページ: 2-20