研究課題/領域番号 |
15200004
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 正幸 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80200301)
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研究分担者 |
長谷川 剛 大阪大学, サイバーメディアセンター, 助教授 (00294009)
阿多 信吾 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30326251)
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キーワード | ネットワーク計測 / 利用可能帯域 / 物理帯域 / インライン計測 / パケットペア / TCP / バックグラウンド転送 / 超高速ネットワーク |
研究概要 |
本年度の研究においては、高速ネットワークにおいても帯域計測が可能な、新たなインラインネットワーク計測手法の提案を行った。高速(1Gbps以上)なネットワークにおいて、パケットペアやパケットトレインなど、パケット間隔ベースの計測手法は、下記の二つの問題を持つ。まず、高速ネットワークでの計測は非常に短いパケット間隔が必要となるが、短い間隔でパケットを送信することは、大きなCPU負荷を必要とする。次に、高速ネットワーク対応のネットワークインタフェースのほとんどが割り込み削減機構(IC、Interrupt Coalescence)を採用していることである。ICはパケットの到着間隔を変えたり、パケットのバースト転送を生成したりするため、パケット間隔ペースの計測が不正確となる。 そこで本研究においては、上記の二つの問題を解決したインライン計測手法を提案した。提案手法はICによって発生するパケットのバースト転送を逆に利用し、パケット送信間隔を調整することなく高い利用可能帯域を計測することができる。シミュレーション結果から、提案手法がICがある環境で数Gbpsの利用可能帯域でも計測可能であることがわかった。さらに、既存のパケットストリームを用いた手法に比べて、計測に使用するパケットが1/100程度になることもわかった。またICIMを導入したTCPが従来のTCPと同じデータ転送性能を持ちながら、数RTT程度という短い間隔で計測結果を導出することもわかった。
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