研究概要 |
ウェブを利用した教育システムは近年大きな注目を集めているが、コンテンツと受講者数の増加に伴い、データの利用効率に大きな問題が生じる。我々はウェブ情報処理の効率化の手法としてウェブデータウェアハウスを提案し、その開発を進めてきた。本研究ではウェブベース教育という応用分野からの要求分析および実データ解析によってより高度な機能を持ったウェブデータウェアハウスを設計し開発するとともに、システムの実用化・実証実験を進めてきた。本研究は基礎から応用までの連続したプロジェクトであり、以下のような成果を得ることができた。 環境教育におけるウェブベースコンテンツ: 野外における環境教育支援のため、観察記録をそのままコンテンツとするため、観察記録であるテキストデータ、デジカメによる画像情報、GPSより得られる空間位置情報を統合するシステムを開発し、EXPO2005でこのシステムの実証実験をおこなった。 操作ログを活用したウェブ上での自習システムにおける教師支援環境の研究: ウェブ上において問題の提示および回答の入力が行えるようなウェブ型自習システムを開発し,高等学校における実際の補習授業などにおいて運用を行った。このシステムでは,生徒のPC上での操作をログとして記録し,回答順序や回答時間,参照したヒント,回答の正誤などをグラフなどの図的表現で参照できることが特徴である。 ウェブウェアハウスでのアクセス制御: 時系列に沿って大量に蓄積されたウェブウェアハウスのコンテンツに対してアクセス制御するためのモデルについて、バージョンの派生関係やコンテンツの構造、時刻印などの多様な条件を統合して記述できるアクセス制御ポリシーのモデルを開発した。 ウェブサーバでの異常値の検出 ウェブサーバに対する攻撃を検出するために、データマイニングの手法を用いてウェブアクセスログの解析を行ない、可視化する手法を開発した。
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