研究課題/領域番号 |
15200011
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀 浩一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40173611)
|
研究分担者 |
中小路 久美代 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任教授) (00345133)
庄司 裕子 中央大学, 理工学部, 助教授 (30286174)
赤石 美奈 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (60273166)
田中 克明 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (80376657)
|
キーワード | 知識創造支援 / 文脈依存性 / 創造活動支援システム / 知識マネジメント / HCI |
研究概要 |
昨年度までに知識の液状化と結晶化の理論的枠組みを提案し、これを、人工衛星の設計会議などで交換される情報に適用する実験を行ってきた。昨年度は、設計会議の音声を記録し処理すると、従来の議事録からは落ちてしまっていた情報を拾って、それを設計知識として再利用できる、ということを示した。 本年度は、知識源情報獲得のためのインタラクションの種類をさらに増やすことと、動的に構造化される知識表現の種類を増やすことに取り組んだ。 具体的には、会議にロボットを参加させるという形での情報収集のインタラクションの実験を行った。沈黙時間、重要箇所指示ボタンなどの情報をロボットが処理することにより、会議の流れの文脈とは異なる潜在的な意見の持ち主をロボットが推定し、会議の沈黙時間に、ロボットがその表出を促す、というシステムを構築し、実験した。実験の結果、従来の会議では落ちていた潜在的な情報を収集できることが示された。今年度は、参加者が着席している会議へのロボットの参加の形の実験を行ったが、今後、ロボットが歩き回って情報収集をおこない、それを知識源情報として構造化していく、というシステムの研究へと発展させたい。 また、動的に構造化される知識の表現として、物語構造をとりあげ、研究を行った。ひとつの情報源の表層構造には通常は一通りの文脈しか現れていないが、深層構造においては潜在的に複数の文脈が存在していると考えられる。本年度は、それらの潜在的な複数の文脈を抽出し表出するために、知識の液状化と結晶化の理論を応用するシステムを作成し、実験を行った。設計会議の議事録の情報などを対象として、所期の成果を挙げることができた。 さらに、本研究の成果を、人生設計支援のような人間社会分野へ適用する実験も開始した。具体的には、就職活動の日記を対象に、知識の液状化と結晶化を行う応用システムを作成している。
|