研究分担者 |
大森 裕浩 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60251188)
照井 伸彦 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50207495)
繁桝 算男 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90091701)
谷崎 久志 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60248101)
古澄 英男 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10261273)
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研究概要 |
本研究では,最近多方面に使用されている潜在変数モデルを検討し,その対象となる構造を統計的に分析することが目的である.このために直接観測できない要因を潜在変数として,階層モデル構造を用いた分析は役に立つ結果が得られる場合が多いことが知られている. 2003年度は,多くの研究者を交えて国内研究会を3回(東京,名古屋,札幌)と国際シンポジウムを1回(神戸)開催し,特に技術的な問題を中心として議論した.名城大学で開催された統計関連学会では,「MCMCを利用した応用計量分析」(和合)と「統計学とマーケッティング」(照井)の2つの企画セッションをオーガナイズし,新しい応用分野を開発した.前者のセッションでは米国より霍見浩喜教授を招聘し,講演の後質疑応答を行った.2月の研究会では,滞在中のBauwens教授(ベルギー・ルーバン大学)を招待し,外国為替市場におけるニュースと市場行動とボラティリティ変動について講演と討論を行った.12月19-20日には外国から3人の研究者を招聘し,"Statistical Analysis of the Structure with the Latent Variable Moder"に関する国際コンファレンスを神戸大学・アカデミアホールで開催し,充実した議論を行った,Dale Poirier(University of Calfornia, Irvine)氏は,潜在変数モデルの枠組みの中で空間データの分析にMCMCを用いた標本選択問題について,Wolfgang Polasek(IAS, Vienna)氏は,スイス各地の投票行動を例にとり空間計量経済分析で多変量因子モデルを用いたモデリングの方法について,そしてHedibert Lopes(GSB, University of Chicago)氏はダイナミック・ファクター・モデルにおける潜在因子を決める問題にMCMCを用いる方法について講演を行った.さらに照井(非対称反応と分割に対する閾値選択モデル),古澄(MCMCによるガンマ型ストカスティック・フロンティア・モデルのベイズ分析),近藤(多重販売プロモーション効果の分析),そして繁桝(構造方程式モデルのベイズ型推定)など新しいモデリングの方法について報告した.和合は8月にベルリンで開催された第54回ISIで"Bayesian inference on gradual switching GARCH models"の報告を行った. ベイズ統計学とマルコフ連鎖モンテカルロ法の応用について,東洋経済新報社から出版される本の2つ章を大森と和合が共同してまとめた.
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