研究概要 |
2004年度は,多くの研究者を交えて国内研究会を1回と国際シンポジウムを2回,8月と12月に開催し,潜在変数モデルの応用に関して議論した.岩手県花巻温泉の富士大学で開催された統計関連学会では,「統計学とマーケッティング」(照井)の企画セッションをオーガナイズし,興味ある応用分野を開発した.8月には行動計量シンポジウムとして「潜在変数モデルにおける最近の発展(Recent Developments in Latent Variables Modeling)」を和合と繁桝(東大)が共同企画し,日本側から5名程度の発表者を交えて,8月25-26日の2日間,東京大学駒場キャンパス数理科学研究棟で約50名が参加して行われた.因子分析,共分散構造分析,項目反応理論などは,データ発生のモデルの中に潜在変数を導入することによってモデルを構造化し,統計的推論を相対的に容易にするモデル化の方法であるといえる.これは一種の階層モデルであり,新しい発展が顕著である.そこで,最近までに達成された貢献について,10名程度の内外の研究者の講演と将来の発展について議論するために企画した.外国からの講演者として,Peter Bentler(UCLA), Wim vander Linden(Univ.of Twente), Hampursum Bozdogan(Univ.of Tennessee), Hedibert F.Lopes(Univ.of Chicago)を招聘した.12月1-2日には統計数理研究所との共催で,第3回目の国際シンポジウムとしてマーケッティングの分野に焦点を当て,"Recent Development of Statistical Modeling in Marketing-Latent Variable and Latent Structure Approach-"に関する国際コンファレンスを和合と照井(東北大学),樋口(統計数理研究所)それに阿部誠(東京大学)が共同企画し,統計数理研究所で開催し,約100名が参加して充実した議論を行った,外国からマーケッティング分野の5人の著名な研究者:Greq Allenby(Ohio State Univ.), Pradeep Chintaqunta(Univ.of Chicago), Terry Elrod(Univ.Alberta), Peter Rossi(Univ. of Chicago), Michel Wedel(Michigan State Univ.)を招聘し,日本側からも阿部(東京大学),中島(大阪大学)をはじめ10本の論文が発表され,最近進歩しつつあるモデリング手法と解釈についての講演と将来の研究方向について討論を行った.このための活動の一環として,6月にオランダのロッテルダムで開催されたマーケッティングの国際学会に和合と照井の2名が参加した.また,2005年1月にイタリアで開催されたMCMCに関する国際学会とそのサテライト・ミーティングに和合と大森の2名が参加した.研究業績としてはレフェリー付雑誌(2003年15本,2004年21本),書籍とその中の論文13本である.
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