アクティヴ・バイオマテリアルの光駆動精密設計と組織工学の融合によるステント工学

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15200038
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 松田 武久 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60142189)
• 研究分担者: 内海 裕一 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 助教授 (80326298) ; 服部 正 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (70326297) ; 木戸秋 悟 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10336018) ; 下川 宏明 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (00235681)
• キーワード: ステント / 内皮前駆細胞 / 光化学

研究概要

・光重合性生体高分子:ゼラチンに加えて、エラスチン、ヘパリン、ヒアルロン酸にビニル基を導入して可視光線で重合・ゲル化する機能を付与した。これによって混合ゲル化することによって細胞接着・増殖を促進する人工細胞外マトリックスを合成した。薬剤を混合することによって包埋したコーティング層からの徐放が可能になった。これにより生分解性で且つ薬剤除放で、細胞接着性の光硬化コーティング材が開発できた。
・内皮前駆細胞の高速増殖技術と高接着性マトリックスの開発:細胞のdifferentiall cell adhensivenessを利用し、これを具体化する表面グラディエント技術と材料を開発した内皮前駆細胞を選別純化する方法を開発した。既に開発して光反応生体高分子の混合および細胞成長因子の添加による最適マトリックスのformulationの決定および高速増殖をもたらす培養液の探索を行った。
・内皮前駆細胞のステントに播種・単層構造化を行い血管内での内皮の修復および再構築を行った。これにより、高増殖能を有する内皮前駆細胞血管内に輸送出来た。
・ステントコーティング・光照射によって薬剤放出型の血管内治療ディバイスを開発し、動物実験によって、その有効性を確かめた。

研究成果

• [文献書誌] Matsuda T, Nagase J, Ghoda A, Hirano Y, Kidoaki S, Nakayama Y.: "Phosphorylcholine-endcapped oligomer and block co-oligomer and surface biological reactivity"Biomaterials. 24. 4517-4527 (2003)
• [文献書誌] Gamez E, Ikezaki K, Fukui M, Matsuda T.: "Photoconstructs of nerve guidance prosthesis using photoreactive gelatin as a scaffold"Cell Transplantation. 12. 481-490 (2003)
• [文献書誌] Nakayama Y, Nishi S, Ueda-Ishibashi H, Matsuda T: "Fabrication of micropored elastomeric film-covered stents and acute-phase performances"J.Biomed Mater Res.. 64A. 52-61 (2003)
• [文献書誌] Shirota T, He H, Yasui H, Matsuda T.: "Human endothelial progenitor cell(EPC)-seeded hybrid graftproliferative and antithrombogenic potentials of EPC"Tissue Eng. 9(1). 127-136 (2003)
• [文献書誌] Ibusuki S, Fujii Y, Iwamoto Y, Matauda T.: "Tissue-engineered cartilage using an injectable and in situ gelable thermoresponsive gelatin : fabrication and in vitro performances"Tissue Eng. 9(2). 371-384 (2003)