研究分担者 |
光森 通英 京都大学, 医学研究科, 講師 (10263089)
荒木 則雄 京都大学, 医学研究科, 助手 (20362486)
川下 将一 京都大学, 工学研究科, 講師 (70314234)
小久保 正 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (30027049)
宮崎 敏樹 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 助手 (20324973)
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研究概要 |
京都大学医学研究科において、家兎およびビーグル犬に対する注入実験を行い、家兎腎臓では交番磁場内での加温試験を行い、直腸温にと比較し、3℃以上の温度上昇を確認した。また、家兎およびビーグル犬肝臓への注入実験では、注入の実行可能性と急性有害事象は警備であることを確認できた。注入システムの開発としては、注入時の動脈より逆流を防止する工夫として、緩徐かつ一定速度で注入できるよう自動化システムを開発した。 九州工業大学において、マグネタイト中空微小球の最適な作製条件を検討した。水酸化鉄を加熱しながら硝酸水溶液中に分散させて水酸化鉄ゾルを得,これを有機溶媒に分散させてエマルションとした。この水酸化鉄ゾルをブタノール中でゲル化させることで微小球を調製し,引き続いて真空中種々の温度で加熱処理することにより中空微小球を得た。試料の微細構造を粉末X線回折により調べた。その結果、800℃ではヘマタイトのみ,1000℃ではヘマタイト及びマグネタイト,1150℃ではマグネタイトのみに帰属されるピークが検出された。加熱処理後には100μm程度の微小球において破壊が観察されたものの,粒径50μm以下の粒子はほぼ球状の形態を維持していた。加熱処理に先立ち予め数十μm以上の粒子をふるいわけにより除去しておけば,破壊した球状粒子の混入が抑制できるものと考えられる。予備的検討として,塩酸水溶液中に室温で分散させた水酸化鉄ゾルより合成した微小球は,多数の凹凸を表面に有していた。これに対し,本年度に作製した中空微小球は前者の微小球に比べてより平滑な表面を与えた。以上の結果から,本法により温熱治療に適した直径20-30μmのマグネタイト中空微小球が得られることが分かった。
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