研究課題
次世代PETに関する各要素技術の基礎研究を推進することが目的である。本年度は、BGOは検出効率が高く安価で全身用PET装置によく用いられるが、発光量が小さく屈折率が大きいためDOI検出器の上層に用いると光量がさらに落ちると考えられている。光量が少ないと同一エネルギーのγ線の吸収により得られる光子数の揺らぎが大きくなり、検出器の結晶判別能が低くなる。そのため、EGOのみで構成されるDOI検出器開発の試みは少なく、アメリカのMcGill大学のグループが2層のBGO-DOI検出器を開発しているのみである。今回2.9mm×2.9mm×7.5mmのBGO結晶素子を用いて、12×12の2次元配列を4層にした結晶ブロックを作成した。この結晶ブロックを256ch FP-PMTの中央に光学結合して性能評価実験を行った結果、良好な結晶判別性能を確認した。4層BGO-DOI検出器の開発により、検出器リング径が小さく体軸方向に長いシステムデザインが可能となるため、安価な全身用PET装置の実現が期待できる(出願番号FP03-0389-OOUS-HP(米国特許庁))。また、浜松ホトニクス株式会社で開発された256 channel flat panel position sensitive photomultiplier tube(256ch FP-PMT)の上に、1.45mm×1.45mm×4.5mmのLSOシンチレータを32x32x4層に配置する。3次元小型結晶配列は、次世代PET開発研究の中で放医研が開発した技術を下に新たな光学的制御を工夫して試作を行った。LSO結晶をFP-PMT上に16x16x4層で配置し、137Cs点線源を用いた一様照射実験を行い、各素子の応答が十分に分離されることを示した。以上の結果から、4層LSO-DOI検出器の開発により、検出器リング径が小さく体軸方向に長いシステムデザインが可能となるため、超高感度の小動物用PET装置の実現が期待できる。
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