研究課題/領域番号 |
15200043
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
村山 秀雄 独立行政法人放射線医学総合研究所, 医学物理部, 研究員 (50166310)
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研究分担者 |
棚田 修二 独立行政法人放射線医学総合研究所, 画像医学部, 研究員 (40116950)
山本 誠一 神戸市立工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (00290768)
河合 秀幸 千葉大学, 理学部, 助教授 (60214590)
高橋 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科原子力国際専攻, 教授 (70216753)
羽石 秀昭 千葉大学, 工学部, 助教授 (20228521)
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キーワード | PET / 核医学 / 画像診断装置 / シンチレーション検出器 / 同時計数 |
研究概要 |
本研究の目的は、次世代PETに関する各要素技術の基礎研究を推進することである。本年度は、まずDOI検出器をPET装置用として実用化する際に、受光素子間の隙間を検出素子で埋めて、感度とサンプリングの低下を防ぐ方法を検討した(出願番号 特願2005-282866)。この問題の最も一般的な解決策として、受光素子と検出素子の間にライトガイドを結合させる手法がある。しかし光量が損なわれるため、検出素子である結晶の3次元配列と光学特性の異なる反射フィルムを用いた独自の手法により結晶識別を実現した。 次に、8層DOI検出器が実現可能であることを、GSOを用いた3次元結晶配列ブロックと256ch FP-PMTを用いて試作し実験室の段階で実証した。我々は、同一結晶素子の3次元配列に適当な間隔で反射フィルムを挿入することで、4層の深さ位置情報が弁別可能であることを既に示したが、この手法と波形弁別手法を併用することで8層の位置情報が取得可能なDOI検出器を考案し、異なるCe濃度のGSOを各種2層ずつ、計4層積層した構造で、結晶配列内の反射材挿入の工夫によるシンチレーション光の広がりの操作を行わせた。試作器の性能評価の結果、良好な8層検出素子弁別が実証できた。 さらに、DOI検出器内におけるガンマ線の多重散乱の情報を利用して、偶発同時計数を低減できる検出器信号処理の新たな可能性を見出した。256ch FP-PMTの上に、1.45mm×1.45mm×4.5mmのLSOシンチレータを32x8x4層に配置する3次元小型結晶配列は、次世代PET開発研究の中で放医研が開発した技術を下に新たな光学的制御を工夫し試作を行った。4層LSO-DOI検出器ユニットを2つ作成し、同時計数測定を行った結果、1.5mmの空間分解能を得た。以上の結果から、検出器リング径が8cmと小さく、体軸方向に長い超高感度の小動物用PET装置をシステムデザインした。
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