研究課題/領域番号 |
15200049
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大平 充宣 大阪大学, 健康体育部, 教授 (50185378)
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研究分担者 |
大海 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20160046)
河野 史倫 大阪大学, 健康体育部, 助手 (90346156)
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キーワード | 骨格筋 / 障害 / 老化 / 回復 / 再生 / タンパク質 / 遺伝子 / 衛星細胞 |
研究概要 |
発育期の疾病や障害、成熟後の不慮の事故などにより損なわれた筋の機能回復や再生処方を解明するために、遺伝子及びタンパク質発現の反応を総合的に追求しようとするのが本研究の主たる目的である。筋の機能に重要な役割を果たすタンパク質、その合成に関与する遺伝子等がこのような障害や老化に伴ってどのように変化するのか把握し、回復や再生をもたらす因子や処方を交付期間内に解明しようとするものである。更には、筋の損傷からの回復や再生にマクロファージ、衛星細胞、及び核中DNA含有量または濃度等がどのような役割を果たしているのかについても解明を迫る。初年度はまず、筋萎縮または肥大と衛星細胞、核及び核小体特性の関係やそれらに関与する感覚神経情報の影響などを追求した。その結果、ラットの後肢懸垂によるヒラメ筋の萎縮は、特に筋線維中央部における休止期及び分裂期衛星細胞数の減少を誘発した。顕著な核数及び筋線維横断面積の減少も見られたが、これらの現象は腱から腱まで摘出された筋線維のどの部分でもほぼ同程度であった。個々の核におけるDNA含有量は不変であった。共同筋の腱切断に伴う代償性肥大ヒラメ筋における筋線維横断面積は増大したが、筋核数は逆に減少し、しかも核小体数の多い核が出現した。しかし、核中DNA量などには変化はなかった。感覚神経を切断した場合も、核特性の反応は同じであったが、肥大は起きなかった。これらの結果、筋線維容積の調節には核小体が何らかの役割を果たしているが、それには感覚神経を介した神経調節が必須であるということが示唆された。
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