研究課題
長期間の後肢懸垂に起因した発育抑制または萎縮、それにカルディオトキシン注入による損傷からのラットまたはマウス後肢筋の回復・再生機構およびそれに関与する遺伝子およびタンパク質発現等を追求した。その結果、発育に伴う筋線維数の増加には影響は認められなかったが、筋線維横断面積の増大および遅筋化は後肢懸垂により顕著に抑制された。一般的にこのような抑制はその後のケージ内飼育により回復した。ところが、抗重力活動の有無に応じて特異的に変化した遺伝子およびタンパク質発現パターンには、必ずしも一致は見られなかった。たとえば、後肢懸垂により、発育に伴う遅筋型のタイプ1ミオシン重鎖(MHC)タンパク質発現の増加が抑制されるとともに、速筋型のタイプIIaおよびIIx MHC発現の減少が抑制された。このような現象はその後のケージ内飼育によって回復したが、タイプIMHC遺伝子発現は常に一定で、発育に伴い減少するタイプIIa MHC遺伝子の発現は、後肢懸垂でむしろ増大する傾向にあった。遺伝子発現とは直接関係せず、機械的負荷に応じたタンパク質合成が刺激されたことが明らかである。また、萎縮の誘発には機械的負荷の減少に起因した衛星細胞の低下が中心的な要因となっていることも明らかとなった。衛星細胞数の減少や不活化は、筋核数の減少をもたらし、結果的に核におけるタンパク質合成が抑制されるため、萎縮が誘発されることになる。回復期には逆に衛星細胞数の増加により、逆の現象が起こることも分かった。ところが、マクロファージ機能不全のop/opマウスでは衛星細胞の増加が起こらず、萎縮の回復も見られなかった。損傷筋の再生に重要な役割を果たす衛星細胞の活性化は、温熱刺激や炎症性サイトカインであるinterleukin-6の受容体阻害等により刺激されるという示唆も得られた。
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