「超鏡」と国際TVを活用する遠隔交流学習支援システムの開発

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15200056
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 前迫 孝憲 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00114893)
• 研究分担者: 今井 亜湖 早稲田大学, 人間科学部, 助手 ; 小池 敏英 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60251568) ; 内海 成治 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80283711) ; 吉冨 友恭 独立行政法人土木研究所, 特別研究員(研究職) ; 森川 治 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員(研究職)
• キーワード: 超鏡 / 交流学習 / DVB / 国際TV / 遠隔教育 / 遠隔対話

研究概要

本研究では、高い臨場感を有し、身体協調活動を促す遠隔映像対話システム「超鏡」、および国際衛星テレビを取り入れた交流学習の相手地域に関する学習を組み合わせたICT利用を前提とした国際交流学習のための支援システムの開発を目的としている。
初年度は、世界各地で利用可能な通信網の構成方法や設置の容易な「超鏡」を実現するための機材開発、海外への運搬方法や自動車電源等を利用することの出来る運用方法、教室内の設置方法、授業を行う教師の支援方法や研修等に関する検討を行った。そして、実際にアフガニスタンと日本の小学校2校(岐阜・川島町立川島小学校、大阪・和泉市立信太小学校)をつなぎ、地層に関する教科学習や国際交流学習を行ったほか、ケニアと日本の小学校2校(大阪・吹田市立山田第5小学校、大阪・松原市立中央小学校)をつないだ国際交流学習(総合学習)を行い、その過程や子ども教師への影響について分析を進めている。この時、通信網としては64kbpsの衛星携帯通信システムを利用、世界のほとんどの地械と交流学習が可能であることを確認した。さらに、教師自らによる「超鏡」環境の組み立てを目指した研修を企画・実施、学校インターネットの回線を利用した国内小学校間(沖縄と大阪)の交流学習で課題等について検討を行った。国際衛星テレビを含むデジタルコンテンツや国際配信網の利用については関係諸機関と調整を進めている他、遅延の減少や簡易に利用可能な「超鏡」の検討を行っており、次年度以降順次、実践の場で検討を予定している。

研究成果

• [文献書誌] 松河秀哉, 前迫孝憲, 内海成治 他: "アフガニスタン-大阪間の遠隔講義の国際配信"日本教育工学会誌. 27・Supple. 255-259 (2003)
• [文献書誌] 森川 治, 橋本亮一, 山下樹里: "自己像追加による視線理解の変化"インタラクション2003. 279-286 (2003)
• [文献書誌] 森川 治, 橋本亮一, 吉冨友恭, 埴岡靖司, 前迫孝憲: "自然観察授業のための屋外型超鏡対話システムの検討"ヒューマンインタフェースシンポジウム2003. 799-802 (2003)
• [文献書誌] 今井亜湖, 松河秀哉, 前迫孝憲, 森川 治: "超鏡とテレビ会議を併用した遠隔授業支援の提案"ヒューマンインタフェースシンポジウム2003. 803-806 (2003)
• [文献書誌] 橋木亮一, 森川 治, 北島宗雄: "超鏡対話における認知心理モード"ヒューマンインタフェースシンポジウム2003. 807-810 (2003)
• [文献書誌] 加藤俊徳, 小池敏英, 前迫孝憲 他: "高選択性近赤外分光機能画像法NIRS-Imagingによるブローカ野の脳血流動態と局在化に関する検討"臨床脳波. 16・1. 20-32 (2004)