研究課題/領域番号 |
15201002
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
恒川 篤史 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (60227452)
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研究分担者 |
鈴木 雅一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10144346)
森田 茂紀 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00143404)
飯山 賢治 東京農業大学, 地域環境科学部, 客員教授 (60012077)
篠田 雅人 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (30211957)
西田 顕郎 筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (40312813)
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キーワード | 生態系プロセスモデル / リモートセンシング / Century / Biome-BGC / 数値シミュレーション / 蒸発散 / NPP / NDVI |
研究概要 |
日本の代表的な森林であるスギ・ヒノキ人工林の東京大学千葉演習林において、斜面部による蒸散開始時刻の違いがどのような要因によって生じるかを検討するため、Komatsu et al.(2006)によって開発された生態系プロセスモデルを用いて、日射、飽差、気温の観測値から樹液流速(HPV)を推定し、観測されたHPVとの対応を調べた。結果として、モデルにより推定されたHPVから得られた斜面部位による蒸散開始時刻の差異(Lt)と、観測されたHPVから求めたLtは良好に対応することが確認できた。これは、斜面部による蒸散開始時刻の違いが、斜面スケールでの気象条件の違いによって生じていることを意味する。蒸散日変化の斜面部位による違いがLtに集約して現れることから、気象条件の差異は夜間から明け方にかけて形成されることがわかった。 生態系物質循環モデルのひとつCenturyモデルを富士山における一次遷移のデータに適用し、その適用性を検討した。いくつかのパラメータを変更する必要があったが、パラメータを変更することでCenturyモデルは富士山における一次遷移のデータを良好に再現することができた。雪解け、土壌へのNの供給・生長最適温度、分解強度のパラメータを順に変更した。その後、土壌炭素のデータだけでパラメータが一意に決まるか調べたところ、土壌炭素を再現できるパラメータが多数存在すること、さらにその異なるパラメータでは一見土壌炭素の傾向が再現されるように見えても、NEP(純生態系生産量)や森林伐採後の土壌炭素の変化が異なることが明らかとなった。植物炭素、土壌炭素両方がそろったデータセットが必要である。
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