研究概要 |
本課題は,アジア諸国における生活環境の健全性,安全性の確保のために,水環境を衛生微生彰学的視点から評価することを目的とする.本年度を水系感染症の起因菌を同時に検出するためのサスペンジョンアレイを作成し,その有効性を評価した.また水系に生息する藻類および抗生物質耐性遺伝子の分布について検討し以下の成果を得た. 1.16SリボソームRNA(rRNA)遺伝子の配列に基づいて,46種類のプローブをデザインし,データベース上で特異性を確認したのち,サスペンジョンアレイを作成した. 2.標準により構成されるマイクロコズムを作成し,サスペンジョンアレイ法の検出感度を求めたところ,標的とする細菌が,全細菌の0.1%以上を占める場合に検出できた. 3.本サスペンジョンアレイ法において,試料調製から結果を得るまでに要した時間は12時間てあり,従来の培養法に比べて短時間で特定細菌を検出することができた. 4.富栄養化した水域において,藍藻Microcystis aeruginosaが細菌間の接合による遺伝子水平伝播を促進すること,および本藍藻を殺藻する複数種類のウイルス様粒子が存在することを確認した
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